本文に移動

文大統領、東京五輪行き白紙に

登録:2021-07-20 04:15 修正:2021-07-20 06:48
大統領府のパク・スヒョン国民疎通首席が19日、文在寅大統領の訪日取り消しを発表している=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 23日の東京五輪開幕を機とした開催が目指されていた韓日首脳会談が白紙となった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、日本の菅義偉首相との首脳会談を通じて悪化していた韓日関係を回復するための解決策を見いだそうとしていたが、両国間に横たわる会談形式や議題などを巡る意見の隔たりが埋められなかった。今年下半期に予定されている日本の総選挙などの政治的日程を考慮すれば、文大統領の任期中に両国関係の修復を図るのは容易ではないという見通しが出ている。

 大統領府は19日「文在寅大統領は東京五輪を機とした訪日を行わないことに決定した」と明らかにした。パク・スヒョン国民疎通首席は「韓日両国政府は東京五輪を機とした韓日首脳会談開催の可能性を念頭に置き、両国間の歴史懸案の進展と未来志向的な協力の方向性について意味ある協議を交わした」としつつも「両国間の協議は友好的な雰囲気の中で行われ、相当な理解の接近はあったが、首脳会談の成果とするには依然として不十分で、その他の諸般の状況を総合的に考慮してこのように決定した」と明らかにした。

 文大統領のこのような決定は、日本政府による対韓国輸出規制の撤回などの首脳会談の「成果」を期待することは困難との判断によるものとみられる。 大統領府の高官も「首脳会談の成果とするには不十分なもの」についての問いに「外交的協議だから具体的に明らかにすることは難しい」とし「両国の懸案を全般的に協議し、究極的な目標は関係修復だったが、さらなる論議が必要な状況だと考えた」と説明した。大統領府はこれまで、単に東京五輪開会式への出席と菅義偉首相との「短い会談」のみのために文大統領が訪日することはできず、輸出規制、日本軍「慰安婦」被害者や強制徴用被害者に対する賠償問題などの、両国の懸案に対する踏みこんだ議論が行われるべきだとの立場を取ってきた。ただしこの関係者は、関係修復に向けた懸案論議の過程で「全般的に少しずつ進展はあった」と付け加えた。

 大統領府がこの日、韓日首脳会談が実現しなかった背景として言及した「諸般の状況」とは、在韓日本大使館総括公使による度を超した文大統領に対する侮蔑発言などを指すとみられる。大統領府の関係者は、相馬弘尚総括公使の「暴言」が今回の決定に影響を及ぼしたのかとの問いに、「容認しがたい発言だった。国民感情を考慮しなければならず、その後の大統領府内部の雰囲気も懐疑的なものになった」と答えた。そして「日本政府は適切な後続措置を速やかに取るべき」と強調した。

 これで文大統領と菅首相の首脳会談は無期限の延期となった。文大統領は菅首相の就任後、昨年9月に電話で20分間会談したのみで、対面による会談は行えていない。 先月、英国で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)の際には略式での会談を試みたものの、菅首相が避けたため実現しなかった。大統領府の関係者は「本政権の任期末まで日本との対話の努力を続けていく。韓日の首脳が会う機会があることを願っている」と述べた。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1004195.html韓国語原文入力:2021-07-19 18:57
訳D.K

関連記事