韓国のソ・ウク国防長官が、先月25日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルは「600キロメートル飛翔したものと推定される」と述べた。これに先立ち、合同参謀本部は同ミサイルが450キロメートル飛行したと発表した。
ソ長官は28日の国会国防委員会で、北朝鮮が先月25日に発射した短距離弾道ミサイルに対する軍の監視態勢に関し、「国民の力」のユン・ジュギョン議員が行なった質問に対して「我が国の探知資産から見て、東海に向けて発射された場合は、地球曲率のため下からはよく見えない。下でプルアップ機動をし、予想より長く600キロメートル飛翔したものと推定される」と答えた。プルアップ起動とは、北朝鮮が新たに開発したと主張する新型戦術誘導弾(KN23=北朝鮮版イスカンデル)が、韓米のミサイル迎撃網を避けるため下降段階から水平飛行を経て急上昇する変則的な動きを指す。
これに先立ち、合同参謀は同ミサイルが発射された直後の先月25日午前、記者団に送った報道資料で「韓国軍は午前7時6分頃ないし7時25分頃、北朝鮮咸鏡南道咸州(ハムジュ)一帯から東海上に短距離ミサイル2発が発射されたことを把握した。今回の発射体の飛行距離は約450キロメートル、高度は約60キロメートルと推定され、詳細な諸元は韓米情報当局が精密分析している」と明らかにした。日本防衛省も「北朝鮮が計2発の弾道ミサイルを東方向に発射したもようだ。従来から北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い高度を、いずれも約450キロメートル飛翔したものと推定される」と発表した。
しかし、北朝鮮は翌日の26日、「朝鮮中央通信」を通じて「新たに開発した新型戦術誘導弾は、すでに開発された戦術誘導弾の主要技術を利用し、弾頭重量を2.5トンに改良した武器体系だ。発射実験を行った2基の新型戦術誘導弾は、朝鮮東海上600キロメートルの水域に設定された目標を正確に打撃した」と主張した。
ソ長官は600キロメートルという数値を提示した理由について、「韓米当局の情報分析に基づき、そのように推定した」とし、詳しい内容については言及を避けた。ソ長官の発言は、韓日いずれも北朝鮮の弾道ミサイルの飛行距離を正確に捉えることに失敗しており、射程距離に対する北朝鮮の主張が正しいということを事実上認めたものと言える。