先週末、韓米日安保室長協議と韓中外交長官会談が並んで開かれた。米中対立の中で、韓国の“バランス外交”の成果と課題を同時に見せた外交舞台だったとみられる。
韓国、米国、日本の安保室長は2日(現地時間)、米ワシントンで会い、対北朝鮮政策に関し集中的に議論した。ソ・フン大統領府国家安保室長は協議後の記者懇談会で「韓米日は北朝鮮の核問題の緊急性と外交的解決の必要性に共感し、朝米交渉の早期再開のための努力を続けなければならないということで一致した」と明らかにした。ソ室長は特に、ジェイク・サリバン国家安保担当大統領補佐官との二者会談で、「北朝鮮非核化」のためにバイデン政府が北朝鮮と早く対話に乗り出さなければならず、南北関係の改善が朝米対話にも役立つ点を強調した。3日、中国福建省の廈門で会った韓-中の外交長官も「朝鮮半島非核化の実現と恒久的平和定着という目標を共有していることで意見を共にした」と外交部は明らかにした。
韓国政府が尖鋭な米中葛藤の中で「北朝鮮非核化」を中心に置いて一方に偏らない外交をしようとする努力がひとまず無難に進められたとみられるが、韓国の立場が米国の対北朝鮮政策に実際にどれくらい反映されるかがカギだ。韓米日安保室長協議の後にホワイトハウスが出した声明は、対北朝鮮対応などで3国の調整された協力と北朝鮮に対する国連安保理決議の完全な履行を強調した。早急な朝米交渉の再開を推進する韓国政府と対北朝鮮圧迫に重きを置く日本の見解の違いを調整しなければならないなど、課題が少なくない。バイデン政権の高位当局者が1日、「シンガポール合意の重要性を理解する」と発言したが、バイデン政府がシンガポール共同宣言の尊重を公開的に表明する場合、北朝鮮に強力な対話にシグナルになりうる。韓国政府は、米中間で北朝鮮の核問題を解決する糸口を見つけ、発言権を強める努力を持続的に行なっていかなければならない。米国と中国が北朝鮮の核問題を「協力可能な領域」として残したことはまだ幸いだが、行く道は遠い。米国は北朝鮮の核問題をテコとして「中国封鎖網」を強化しようとするだろうし、中国は北朝鮮カードで韓国を動かし「米国の包囲網」を弱化させようとするだろう。韓国政府は米中双方と協力の空間を広げつつも、警戒感を失わず急変する国際情勢に対応する戦略を整え、北朝鮮の核問題をはじめとする外交課題を慎重に解いていかなければならない。