ウォーレン・バフェットは内在価値重視の長期投資で莫大な富を編み出した投資界の生きた伝説だ。数十年間続いた驚異的収益の背景には、株式相場端末、パソコンなどの情報化機器がないバフェットの事務室も挙げられる。バフェットは「40年を超える私の情報源は企業の年次報告書だ。速い情報より良い情報が重要だ。郵便物と株式相場を3週間遅れて受け取っても何も支障がない」と語った。インターネットの接続スピードに左右される超短期売買(スケルピング)が幅きかす投資現実と対比される。
ネイバーが25日、「リアルタイム急上昇検索ワード」サービスの廃止を明らかにした。利用者が能動的に様々な情報を追求する傾向にあるというのが表面的な廃止理由だ。ダウムはすでに昨年2月にリアルタイム急上昇検索ワードの表示をやめた。「リアルタイム検索ワードが結果の反映ではなく、現状の開始点になってしまった」ということが廃止の理由だった。リアルタイム検索ワードは2005年にダウムとネイバーが導入して以来、韓国のポータルサイトの特性として位置を確立したサービスだった。グーグルで利用者は各自の必要にともなう“検索”をしたが、韓国のポータルサイトで利用者はリアルタイム検索ワードを通じて他人の関心事を追跡した。
影響力が大きくなるとリアルタイム検索ワードを作り出す勢力が生まれた。リアルタイム検索ワードに登場することは、大衆の関心を集めるスポットライトを意味した。芸能人ファンクラブの誕生祝いのリアルタイム検索ワードが登場すると、そのうちリアルタイム検索ワードは政治家を対象にした攻防の対象になった。リアルタイム検索ワードは扇情的記事を吐き出す一部メディアのアビュージング(照会数歪曲)の道具でもあった。リアルタイム検索ワードが含まれれば、重要度や事実性と関係なく照会数が約束された。ポータルはいつも歪曲論議に包まれた。
最高の双方向ツールであるインターネットにより、個人と社会はリアルタイムの現在に過度に反応している。メディア批評家のダグラス・ラシュコフは著書『Present Shock(現在の衝撃)』で、これを「現在という瞬間に向かってすべてのことが再配列された状態」と規定する。リアルタイム急上昇検索ワード利用者の集団的選択、組織的行動を見せる機能もしたが、アビュージングを取り除くことはできなかった。リアルタイム急上昇検索ワードの情報の受動的利用を煽ることになり、それを悪用する勢力を育てた。何よりも利用者の大切な注意力を過度に扇情的で瞬間的なものに浪費させた。ダニエル・カーネマンが『ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか? (Thinking, Fast and Slow)』で明らかにした“遅い思考”能力が、リアルタイム反応中心の環境で希少になっている。