異常気象現象が毎月発生した昨年、韓国では台風や豪雨だけで計1兆2500億ウォン(約1170億円)以上の被害が発生した。最近の年平均被害の3倍に達する。
韓国気象庁は29日、「2020年異常気象報告書」でこのように明らかにした。昨年は世界的に「史上最も暖かい年」として記録され、国内の気温変動も激しかった。全国の月別異常気象現象によると、1~3月の気温は史上上位1~3位を記録したのに対し、4月は下位5位で非常に肌寒かった。6月には猛暑に見舞われ、平均気温と猛暑日数ともにこれまでの記録を塗り替えた。過去最長の梅雨(中部54日、済州49日)が7月から8月上旬まで続き、8~9月には4つの台風が上陸して大きな被害をもたらした。10月には降水量・降水日数が史上下位2位を記録するほど水不足が続いた。11月中旬は同月としては全国1日平均気温1位の日が3日間続いた。
長い梅雨と台風の財産被害は1兆2585億ウォンに達し、46人が命を失った。2010~2019年の10年間の平均(財産被害3883億ウォン、人命被害14人)の3倍を上回る。また、土砂崩れが6175件(面積1343ヘクタール)発生し、1976年以降史上3番目に多かった。浸水・落果被害面積は12万3930ヘクタールに達した。7つの台風が上陸した2019年(7万4165ヘクタール)より70%も広かった。
ナナフシやマイマイガなどの卵が暖かい冬に生き残った影響も大きかった。昨夏、全国10市道の6183ヘクタールの森がマイマイガのため赤色に変わった。一方、寒冷疾患者(303人)や死亡者(2人)は、この5年間の平均よりそれぞれ34%と81.2%減少した。
「2020年異常気象報告書」は気候情報ポータル(climate.go.kr)のホームページ「開かれた広場-発刊物」で確認できる。