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[社説]南北米は今年上半期の「平和のゴールデンタイム」を逃してはならない

登録:2021-01-14 06:34 修正:2021-01-14 07:33
今月12日、金正恩労働党総書記が平壌で第8回労働党大会を閉会している。今月5日に開幕した党大会は、12日までの8日間の日程を終えた=平壌朝鮮/中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮は12日に幕を閉じた労働党第8回党大会の結論の大半を「自力更生式正面突破」方式の社会主義経済建設に割り当てた。今回の党大会が対北朝鮮制裁や新型コロナウイルス、水害という3重苦の中で開かれたため、北朝鮮の立場では経済難突破が緊急の課題だったのだろう。一方、国際社会はジョー・バイデン政権発足を控えた状況で、北朝鮮の対米・南北関係のメッセージに注目していた。金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記は党大会報告を通じて米国を「最大の主敵」としたが、長距離ミサイル実験再開など武力誇示の可能性は示唆しなかった。その代わり、バイデン政権と韓国の北朝鮮政策を見極めたうえで対応を決めると述べた。ボールが韓国と米国の方に渡ったということだ。

 何よりも、米国の迅速かつ適切な対応が求められる。バイデン政権が発足初期に新型コロナへの対応や経済回復、トランプ大統領の弾劾問題などの国内懸案に集中し、通常の手続きに則って北朝鮮政策ラインの人事を行うならば、今年の上半期は何もできず時間だけが流れる可能性がある。そうなれば、北朝鮮がかつてのように核関連活動やミサイル発射などで朝鮮半島の危機状況を作り、米国に圧力をかける恐れがある。北朝鮮が代表的な敵視政策に挙げる韓米合同軍事演習が3月に始まれば、北朝鮮は軍事行動で対応する可能性が高い。米国の民間団体である韓米経済研究所(KEI)は、韓米専門家43人の対談をまとめ12日に発表した報告書で「こうした危機的状況を防ぐため、バイデン政権は他の緊急事案があっても、北朝鮮に対して素早く行動に出なければならない」と明らかにした。また、バイデン氏が大統領に就任した後、北朝鮮が信頼できる交渉責任者を任命し、米国と韓国が北朝鮮に対する要求などを公に提案することを勧告した。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期を考慮すれば、南北・朝米関係の突破口を設ける「ゴールデンタイム」は今年上半期だ。韓国政府は、バイデン政権が北朝鮮政策を樹立するまで見守るのではなく、南北関係の復元に積極的に乗り出さなければならない。特に、米国と3月の合同演習をいかに調整するかについて協議を急ぐべきだ。7月の東京五輪に北朝鮮が参加すれば、2018年の平昌(ピョンチャン)五輪の時のように朝鮮半島平和プロセスの再稼動も期待できる。

 北朝鮮も忍耐を持って韓国と米国の提案を待たなければならない。自力更生、自給自足で北朝鮮が直面した「これまでにない最悪の難局」(党大会開会の辞)を突破するのは難しい。韓国との経済協力と人道的協力に積極的に乗り出すことを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/978682.html韓国語原文入力:2021-01-1402:41
訳H.J

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