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韓国外交部第1次官「東京五輪成功のために韓日の協力が必要」

登録:2020-11-13 07:04 修正:2020-11-13 08:19
チェ・ジョンゴン外交部第1次官//ハンギョレ新聞社

 チェ・ジョンゴン外交部第1次官が日本の秋葉剛男外務省事務次官と就任後初の電話会談を行った。パク・チウォン国家情報院長と韓日議員連盟団の訪日に続き、東京五輪開催の成功を橋渡しに、冷え込んだ韓日関係を改善しようとする試みだと読み取れる。

 外交部は12日、韓日次官電話会談後に資料を発表し、韓日両国の次官が「相互の関心事について意見を交した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行が続いていることや東京五輪、朝鮮半島情勢など主な懸案に関し、韓日政府が緊密にコミュニケーションを取り話し合う必要性で認識が一致した」と明らかにした。

 この資料で目に付くのは、チェ次官がまだ開催までに相当な時間が残っている来年の東京五輪について、「開催の成功を祈り、秋葉次官はこれに謝意を表した」という一節が登場する点だ。

 最近の韓国では、東京五輪を契機に活用して韓日関係を改善し、その勢いに乗って日本を包容する形の第2次朝鮮半島平和プロセスを推進しなければならないという声が力を増している。これまで北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と「条件なしで首脳会談をしたい」と言っていた日本も、これに対し原則的に歓迎する立場だと伝えられた。菅義偉首相は5日、参議院予算委員会で金正恩委員長が五輪に合わせて東京を訪問した場合には会うかという質問に、「仮定の質問に答えるのは控えるが、良い機会になるだろう」と述べた。日本が五輪を機に、これまでの国政の最優先課題に掲げてきた日本人“拉致問題”で成果を出すことができれば、菅首相は安倍晋三前首相も達成できなかった大きな外交成果を得ることになる。外交部当局者は「チェ次官が五輪開催の成功のために韓日の協力が必要だという話をして、秋葉次官が共感した」と述べた。

 日本は、新型コロナにより1年延期された東京五輪の開催成功のために苦心しているところだ。2013年に五輪を誘致した時は福島の復興を象徴する「復興五輪」と位置付けたが、韓日が協力し来年上半期の状況をよく管理すれば、2018年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪のような「平和の五輪」になりうる。菅首相の言及の通り、まだ仮定に過ぎないが、金正恩委員長が五輪の開幕式への参加のために東京を訪問すれば、状況により韓国・北朝鮮・米国・日本の首脳が一堂に会す巨大な外交イベントを作ることにもなりうる。

 しかし、今のように韓日関係が捻じれた状況で、北朝鮮までも2017年のように日本列島を通過する弾道ミサイルを発射するなどの挑発に乗り出せば、五輪開催の成功を断言できなくなる。このような状況を防ぐには、今年韓国で予定されている韓中日首脳会議を通じ、来年以後の情勢安定のための3カ国の首脳の虚心坦懐な意見交換が何より重要だとみられる。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/969722.html韓国語原文入力:2020-11-12 18:30
訳M.S

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