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韓国の経常収支黒字、2年ぶりに月100億ドルを突破

登録:2020-11-06 05:00 修正:2020-11-06 17:20
月別経常収支の推移(単位:ドル、資料:韓国銀行)//ハンギョレ新聞社

 半導体や自動車を中心とした大幅な輸出増加のおかげで、経常収支の黒字規模が2年ぶりに月100億ドルを超えた。中央銀行の韓国銀行は、今年の経常収支黒字が当初の予想(540億ドル)を越えて、昨年水準の600億ドル水準に近づくものと見込んでいる。

 韓国銀行が5日に発表した「9月の国際収支(暫定)」の統計によると、経常収支は102億1千万ドルの黒字を記録した。経常収支の黒字幅が100億ドルを越えたのは、2018年9月(112億4千万ドル)以降初めて。経常収支は国家間商品、サービス輸出入をはじめ、全ての経済的取引を合算したものだ。

 経常収支黒字の流れは今年5月から続いている。1~9月の累積では434億ドルの黒字を記録し、昨年同期に比べて増加傾向(15億6千万ドル)に転換した。8月までの累積は昨年より8億9千万ドル少なかった。

 韓国銀行のパク・ヤンス経済統計局長は「通関基準で輸出入の差が9月(87億ドル)に続き10月(60億ドル)にも大幅の黒字を記録しており、10月の経常収支も改善の流れが続くだろう」とし、「こうした傾向が続けば、今年の年間経常収支黒字予想(540億ドル)をかなり上回り、昨年の黒字額(約600億ドル)に近い規模になる可能性もある」と述べた。パク局長は「ただし、新型コロナの第2波と米大統領選挙に伴う不確実性、原油安などをはじめとするリスクが混在している」と付け加えた。

 比較的大幅な経常収支黒字は、主に輸出の増加傾向によるところが大きい。通関基準で9月の輸出は昨年同月より7.6%増えた480億4千万ドルを記録した。半導体(昨年同月比12.4%増)や化学工業品(16.0%)、乗用車(24.3%)を中心に増えた。輸入は昨年同月より1.6%増えた393億4千万ドルを記録した。資本財や消費財の輸入がそれぞれ17.6%と9.3%増加し、原材料輸入は12.4%減少した。

 輸出入が昨年同月に比べて増加傾向に転じたのは今年2月以降7カ月ぶりのことだ。輸出と輸入いずれも減少したことによるいわゆる「不況型黒字」の流れを脱したわけだ。輸出の方の大幅な増加傾向で、輸出入の差である商品収支の黒字規模は120億2千万ドルに達した。

 サービス収支は20億4千万ドルの赤字を記録した。旅行および運送収支の改善で昨年同月(22億6千万ドル)より赤字規模が減少した。運送収支の改善は、航空旅客運送は減ったものの、海上や航空貨物運送の輸入が増えたことによるものだ。

 賃金・配当・利子の流れと関連する第一次所得収支の黒字規模は配当所得収支の赤字転換などで、昨年同月15億4千万ドルから6億1千万ドルに減少した。世界的な景気悪化を受け、海外現地法人の業績は芳しくなかったものの、国内に進出した外国人投資家らに回る配当金は増えたことによる結果だ。

キム・ヨンベ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/968753.html韓国語原文入力:2020-11-05 19:51
訳H.J

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