本文に移動

2週間で7つの教会が集団感染…政府、「距離措置」レベル引き上げを検討

登録:2020-08-15 03:51 修正:2020-08-15 07:42
14日午後、防疫作業のために城北区のサラン第一教会へと立ち入るソウル城北区保健所の関係者たち。ソウル市は、サラン第一教会で新型コロナ感染者が多数発生したことから施設閉鎖を決定した=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 ソウルと京畿道で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が急増し、散発的に続く集団感染が防疫の力量を超える大規模な流行へとつながる懸念が高まっている。今回の流行は、特に教会関係の集団感染が多い。

 中央防疫対策本部(防対本)は14日午前の定例ブリーフィングで、午前0時現在、過去24時間以内に確認されたCOVID-19の新規感染者は、地域社会での発生が85人、国外からの流入が18人だったと発表した。ソウル市は31人、京畿道は38人で、それ以外では釜山(プサン)、仁川(インチョン)、光州(クァンジュ)、蔚山(ウルサン)、江原道、忠清南道、慶尚北道など、全国各地でそれぞれ1~5人が確認された。14日夜11時ごろ、中央災害安全対策本部(中対本)は緊急報道資料を発表し、午前0時~夜10時に確認されたCOVID-19の新規感染者は138人で、このうち地域での感染が128人だったと明かした。国内でのCOVID-19の拡散傾向が沈静化して以降、感染者統計は防対本が1日1回のみ午前中に公開しており、中対本が夜遅く報道資料を出すのは異例だ。防対本の発表後に、ソウルでは少なくとも58人、京畿では少なくとも62人の感染が確定され、国内でCOVID-19が確認されて以降の両地域における最大規模を記録するなど、感染規模が深刻なためと見られる。特に京畿道では、楊平郡西宗面明達里(ヤンピョングン・ソジョンミョン・ミョンダルリ)の村の祭りに参加した人など31人の感染が確認されるなど、1日当たりの感染者が100人に迫っている。

 今回の流行は主にソウル・京畿道の教会を中心に広がっている。14日午前0時までの最近2週間で、集団感染が発生した教会は7つにのぼる。このうち、感染者数が最も多いのは京畿道龍仁市(ヨンインシ)のウリ第一教会で、14日までに少なくとも93人が感染している。防疫当局は、同教会の聖歌隊25人が礼拝中にマスクをつけずに歌ったことが集団感染の原因と見ている。現在、礼拝に参加した400人やその家族などの全数調査が行われており、感染者はさらに増える可能性がある。

 ソウル市が施設閉鎖の措置を取った城北区(ソンブック)のサラン第一教会も、防疫守則を破り、マスクをきちんとつけていなかったためにCOVID-19が拡散したものと見られる。累計感染者は少なくとも31人だが、検査対象者だけで1897人にのぼるうえ、チョン・グァンフン担任牧師が信徒に対して15日の保守・キリスト教系集会への参加を促したため、さらなる拡散が懸念される。

 感染経路が不明な患者の割合も1~14日の2週間の平均が13.7%で、その前の2週間(7月18~31日、6.2%)の倍以上となっている。そのため防疫当局は、今回の流行は2~3月の新天地イエス教発の流行、5~6月のソウル梨泰院のクラブや物流センター発の流行のよりも深刻化する可能性があると見ている。防対本のチョン・ウンギョン本部長は「追跡スピードが拡散スピードに追いついていけなければ、あっという間に患者が倍々に増えるだろう」とし「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)によって早期に感染の鎖を断ち切ることがとても重要」と述べた。

 政府は、15日にチョン・セギュン首相の主宰で中対本会議を開き、首都圏のソーシャル・ディスタンシングをレベル2へと引き上げる見通しだ。レベル2に引き上げられれば、屋内では50人、屋外では100人以上の集まりが禁止され、スポーツ競技は「無観衆」になる。遊興施設や300人以上の大型学習塾などの高危険施設は営業が中止され、2学期の登校始業にも影響を与えうる。

 一方ソウル市は、光復節の連休に集会を届け出た24の団体に対し、集会禁止行政命令を下したが、一部の保守団体や民主労総などの7団体は集会を強行する。ソウル市は、これらの集会の主催者と参加者を告発するとともに、求償権を行使することを明らかにした。

チェ・ハヤン、オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/957888.html韓国語原文入力:2020-08-14 21:47
訳D.K

関連記事