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増える局地的豪雨…急発達する「にんじん状雲」が犯人

登録:2020-08-10 02:43 修正:2020-08-10 07:34
5日午後、急な豪雨が襲った江原道鉄原郡金化邑生昌里で、住民たちが水に浸かりながら家財道具を運んでいる。鉄原地域では5日間で最大670ミリ以上の豪雨に見舞われた//ハンギョレ新聞社

 このところ頻繁に発生する局地的集中豪雨は、突起のように突然発達する「にんじん状雲」が引き起こしているとみられる。また、8月に台風の影響をよく受けるのは、梅雨の長期化の原因と同じく、「封印」が解かれた北極の寒気が北太平洋高気圧の北上をおさえているために起こる現象とみられる。

9日午後7時現在、西海上で発達した「にんじん状雲」が移動しながら狭い地域に集中豪雨を降らせている。写真は気象庁のレーダー映像=気象庁ウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 7月末~8月初めの停滞前線(梅雨前線)は、北から南下してくる冷たく乾燥した空気と、北太平洋高気圧の縁に沿って南西から流入する温かい水蒸気が出会うことで形成されるもので、6~7月の梅雨の停滞前線とは違い、局地的な集中豪雨を頻繁に発生させている。気象庁のユン・ギハン通報官は「南西側から高温多湿な空気が集まってくる収束帯で上昇気流が発生し、この気流が上層で発散するが、下層の収束力より上層の発散力の方が大きい状態になる」とし「ここに小さな突起ができて上層15キロの対流圏界面まで発達する大きな雲が短時間に形成され、集中豪雨を降らす」と説明した。この小さな突起は2~3時間にわたり1時間当たり数十ミリの強い雨を降らせ、その後は徐々に解消され雲が広がる。その形がにんじんに似ていることから「にんじん状雲」とも呼ばれる。しかし学界では、この突起がどのように、なぜ生じるのか、明確なメカニズムは解明されておらず、そのため発生時期と場所を予測することも難しい。

北極から来た冷たく乾燥した空気と 
南西から来た高温の水蒸気が出会い 
上昇気流が発生し、上層で発散 
突起型の大きな雲ができ、強い雨 
8月に台風の影響をよく受ける理由は 
北極の寒気が高気圧の北上を邪魔しているため

 また、近ごろ明け方に強い雨が頻繁に降るのは、7月末から8月初めにかけては大気の上層が太陽の影響を多く受ける時期のため、太陽の光がなくなる夜は雲の凝結速度が速くなる上、西海(ソヘ=黄海)の海水温度が高まり、高温多湿な水蒸気が多く流れ込むためと見られる。

台風5号「チャンミー」の予想進路と韓国周辺の予想気圧配置模式図=気象庁提供//ハンギョレ新聞社

 北極に閉じ込められていた冷たい空気が、気候変動によってジェット気流が弱まったことで韓国の位置する南まで下ってきたため、北太平洋高気圧が例年のように北上できず、横方向に収縮と拡張を繰り返すことによって、台風発生にも影響を及ぼしている。気象庁国家台風センターのオ・イミョン事務官は「7月の1カ月間で台風が一度も発生しないという奇異な現象が発生したのは、北太平洋高気圧の影響圏が南に拡大したことで、台風発生水域に高気圧があったため」と説明した。8月に発生した第4号台風「ハグピート」は、北太平洋高気圧が中国東岸まで伸びていたため、その縁に沿って移動し、中国の内陸へ上陸している。一方、収縮していた北太平洋高気圧が再び九州の西側まで張り出した状態で9日未明に発生した台風5号「チャンミー」は、その縁に沿って韓国の南海岸へと移動している。例年のように北太平洋高気圧が韓国や中国内陸まで覆っていたなら、この二つの台風は韓国には接近できていなかった。

 今年の梅雨が特に長くなっているのは、この北太平洋高気圧が強まれば停滞前線が北上し、また北側から下りてくる寒気が強まれば南下するを繰り返すためだ。北太平洋高気圧が韓国を覆うことにより停滞前線が北上して消える7月末~8月初めには、西から流入する低気圧によって集中豪雨が発生するのが一般的だが、今年は低気圧と停滞前線が重なることにより大雨となっている。

イ・グニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/environment/957080.html韓国語原文入力:2020-08-09 18:05
訳D.K

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