政府は、カラオケボックスやハンティングポチャ、感性酒場などを含む9つの施設を新型コロナ感染の恐れが大きい高危険施設に分類し、施設ごとに防疫守則をまとめ、管理することを決めた。仁川(インチョン)の塾講師による5次感染と推定される事例が発生するなど、梨泰院(イテウォン)のクラブ発の市中感染は終わりが見えていない。
中央災害安全対策本部(中対本)は22日の定例ブリーフィングで、ハンティングポチャ(店内でナンパができる酒場)、感性酒場(クラブのように踊れる居酒屋)、遊興酒場(クラブ、ルームサロンなど)、コーラテック(酒類を扱わないクラブ)、団らん酒場(カラオケスナックに似た酒場)、カラオケボックス、屋内スタンディング・ライブハウス、大規模コンサートホール、屋内集団スポーツ施設(ズンバ、タエ・ボー、スピニングなどの激しい運動)の9施設を高危険施設に分類する方策を発表した。空間の密閉度、利用者間の密集度、飛沫発生の可能性などの6つの危険度指標を基準に各施設を「高危険-中危険-低危険」に区分した。
これらの施設は今後、主要な防疫守則を守らなければならない。ハンティングポチャや感性酒場、カラオケボックスなどは入場者リストを作成しなければならない。カラオケボックスは営業中に1時間のブレイクタイムを設けて室内を消毒せねばならず、客が使った部屋はドアを閉め、30分後に消毒をしてから次の客が入れるようにした。こうした守則に違反した場合は、感染症予防法に基づき施設の事業主と利用者に300万ウォン(約26万円)以下の罰金を科すか、集合禁止措置が取られる。
中対本は、QRコードを用いて利用者リストを確保し、リストの保存期間を4週間にすることも検討している。中対本のキム・ガンリプ第1総括調整官は「高危険施設であっても換気をよくするとか、入場者を制限するなどの努力をすれば、地方自治体が中危険施設へ下方修正できるようにする。関係省庁、自治体、利害関係者などの意見集約を経て、早いうちに方策を確定する」と述べた。
中央防疫対策本部の集計によると、22日正午現在、梨泰院のクラブ関連の累計確定感染者は215人に達している。首都圏のカラオケボックス、居酒屋、飲食店などを経て感染が拡散している中、この日は初の5次感染と推定される事例も発生した。仁川の塾講師→教え子→仁港高校3年生→生徒の父親に続き、父親の職場の同僚(京畿道河南市)まで確定判定を受けたもの。京畿道富川市(プチョンシ)のバイキングレストラン「ラオンパーティー」の誕生会関連の感染者はこの日だけで6人が確認され、計9人となった。塾講師の教え子が訪れていたトップコインカラオケに立ち寄ったタクシー運転手が写真家として撮影を担当した誕生会だ。防疫当局は、5月9日、10日、17日のタクシー運転手が働いていた時刻にラオンパーティーを訪問した人に対して、選別診療所で診断検査を受けるよう呼びかけている。
コインカラオケからの感染が続いていることを受け、ソウル市はこの日、すべてのコインカラオケに対して集合禁止行政命令を下した。ソウル市内の569カ所のコインカラオケボックスが対象で、5580カ所あまりの一般のカラオケボックスは除外された。仁川市教育庁は同日、COVID-19感染者の発生を受け登校中止措置が下されている仁川市内の66校の高校の生徒が25日から再び登校する予定だと明らかにした。
一方、梨泰院のクラブ関連の感染者から主に発見されるコロナウイルス「G型」は、欧州や米国から流入した可能性があると防疫当局は明らかにした。世界保健機関(WHO)はコロナウイルスをS、V、Gの3つの型に分類しているが、このうちSとVは中国を含むアジアで、Gは欧州と米国で主に流行している。防対本は、国内の患者142人を対象にウイルスの塩基配列を分析した結果、梨泰院のクラブ関連の感染者14人の塩基序列は全てG型に属していたことを明らかにした。韓国でG型が初めて発見されたのは、先月の慶尚北道醴泉(イェチョン)での集団感染においてだ。防疫当局は「塩基配列の分析は疫学調査の参考にするためのもので、各型で感染力などに違いがあるという研究結果はない」と説明した。