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中国、“3大核戦力”を完成させるステルス機「轟-20」11月公開見込み

登録:2020-05-04 20:11 修正:2020-05-05 06:48
2018年、中国航空工業集団が60周年記念映像に入れた未公開の航空機。「轟(H)-20」と推定される=記念映像からキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 中国の新型ステルス戦略爆撃機「西安 轟(H)-20」が、今年末に公開されると見られる。先端戦闘爆撃機である轟-20の登場により、地域軍事バランスに変化が起きる可能性がある。

 香港のマスコミ「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」(SCMP)は4日、軍消息筋の話を引用し「新型コロナ事態が成功裏に管理されるならば、轟-20が今年11月の珠海エアショーで初めて公開されると見られる」と報道した。この消息筋は「珠海エアショーは、新型コロナ事態に対する中国の成功した対応を示す場になるだろう」としながら「感染病も中国の防衛産業体制に大きな衝撃を与えることはできなかったことを示すことになるだろう」と話した。

 轟-20の登場は、韓国、日本、オーストラリアなど周辺国を刺激して、地域の軍事的緊張を高めかねないとの憂慮も出ている。別の軍消息筋は「中国指導部は轟-20が新型コロナで高まった地域の均衡と緊張に影響を及ぼすのではないかと深思熟考している」と話した。

 轟-20は、中国が2000年代初頭から開発してきた戦略爆撃機で、巡航距離8500キロメートル、最大45トンの核および在来式ミサイルを搭載できる。移動距離が地球一周(4万6250キロメートル)の5分の1に達する。現在、中国は大型爆撃機「H-6K」を保有しているが、巡航距離が轟-20の半分に過ぎない。轟-20は、中国の先端軍用機「20」シリーズの一つで、中国はこれに先立ってステルス戦闘機「殲(J)-20」、大型輸送機「Y-20」、中型輸送ヘリコプター「Z-20」などを実戦配備した。

 轟-20が実戦配備されれば、中国は“3大核戦力”をすべて備えることになる。陸上から発射する大陸間弾道ミサイル(ICBM)と、水中から発射する潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に続き、空中から核弾頭搭載ミサイルを発射する戦略爆撃機を保有することになるわけだ。

 中国は、轟-20によりいわゆる“第2列島線”突破を念頭に置いていると見られる。中国は、米国の攻撃に備えて“第1列島線”(沖縄-台湾-フィリピン)と“第2列島線”(小笠原諸島-サイパン-グアム-パプアニューギニア)を設定している。“第3列島線”はハワイとオーストラリアまで拡張される。

 轟-20はエンジン性能の問題で米国の長距離爆撃機「B-2」などへの対抗は難しいとの指摘もある。轟-20は、中国産エンジン(WS-10B)やロシア産エンジン(AL-31FM2/3)が搭載されるものと推定されているが、機動性やステルス能力などで劣るとの見方が出ている。

中国戦略爆撃機「轟(H)-20」想像図=出処:微博//ハンギョレ新聞社
チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/943559.html韓国語原文入力:2020-05-04 17:28
訳J.S

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