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ソウル市災害緊急生活費の現場受付が行われた今月16日昼、ソウル恩平区駅村洞住民センターは申請に来た住民であふれていた＝キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

　韓国政府が全ての国民に災害支援金を支給する方向へ方針を決めたなか、地方自治体から支援金を受け取った場合も国家支援金を100％受けられるかどうかに関心が集まっている。政府は当初、所得下位70％を対象に災害支援金を支給する計画を立て、財源の20％を地方自治体が負担するようにしたが、自主的に災害支援金を支給した一部の自治体は分担分を負担することができないとし、財源調達に支障が生じたためだ。実際、一部の自治体の住民は、自治体が政府に分担金を支給しない割合(70％を国民に支給する場合20％)を引いた国の災害支援金を受け取ることになるものとみられる。

広域自治体別　政府の緊急災害支援金との重複支給の可否//ハンギョレ新聞社

　28日のハンギョレの取材の結果、ソウル市をはじめ大田(テジョン)、光州(クァンジュ)、忠清南道、慶尚北道、全羅南道、済州道は独自に進めている生計支援金とは別に、政府の災害支援金が正常に支給されるよう自治体の分担金の財源を調達する計画だ。4人家族基準で40万ウォン前後の自治体支援金を別途に支給し、政府が要求した国の支給する災害支援金の分担分14.6％も負担するということだ。災害支援金を全世帯に支給するよう計画を変更したことで増えた地方自治体の分担金の財源を政府が調達することに決めたことで、自治体の分担率は既存の20％から14.6％(ソウルは21.9％)に減ることになる。

　ソウル市の関係者は「他の自治体(政府8-自治体2)と違って、ソウル市だけ財政分担の割合が7対3で、5200億ウォン規模の財源を用意しなければならない。歳出調整の困難が大きく、自治体分担金の縮小を協議中」だと明らかにした。重複して恩恵を受けられる市・道の住民は、4人家族基準で既存の自治体が支給する生計支援金約40万ウォン(約3万5千円)と政府支援金100万ウォン(約8万7千円)を合わせ、約140万ウォン(約12万2千円)をもらうことになるとみられる。

　政府が要求した分担金の支給が難しいと明らかにした京畿道と仁川(インチョン)の住民は、政府が支給する災害支援金の総額が減る可能性がある。京畿道の関係者は「すでに道民全体に10万ウォンずつ、そして31の市・郡のうち30の市・郡が住民1人当たり5万～40万ウォンの災害基本所得を支援した」とし、「イ・ジェミョン京畿道知事が政府に、災害支援金を与える場合には地方政府が分担する割合(20％)にすでに支援された金額を含めるよう建議し、中央政府も同意したため、(自治体分担の割合を除いて政府支援金を支給するという)政府方針に従う」と述べた。4人家族基準で、政府支援金100万ウォンから自治体分担額の14万6000ウォンを引いた85万4000ウォン(約7万4千円)をもらうことになるという話だ。しかし、すでに自治体から受け取った災害支援金を合わせると、総受領額は政府が発表そた支援金総額の100万ウォンよりも多い。京畿道民(選別支給した南楊州市を除く)は、自治体から1人当たり15万～60万ウォンずつの支援金を受け取り、4人家族の総受領額は100万4千ウォン～145万4千ウォン(約8万7500～12万6千円)になる。

　地方自治体が全住民対象の災害支援金を別途支給しなかった釜山(プサン)、蔚山(ウルサン)、世宗(セジョン)、忠清北道、全羅北道などの住民(小商工人など特定範疇の支援策は含まず)は、4人家族基準で政府支援金100万ウォンを受け取ることになる。江原道のように小商工人など特定の対象を決めて支援金(計30万人を予定)を支給する場合、重複受給が可能な住民が受け取る総額は100万ウォンより大きくなる。

　このような状況は、各自治体が自主的に支援金を支給したり政府分担金を出す余力があるかどうかによって、住民がもらえる支援金の総額が変わるため、公平性に問題が生じかねないという指摘が出ている。行政安全部の関係者は「(京畿道のケースのように)自治体が生計支援金をすでに支給したならば、自治体の分担金だけを差し引くことになり、政府が当初支給することにした4人家族基準の総額100万ウォンは変わらない」とし、「自治体が生計支援金を支給したのとは別に政府の分担金を支給して総額が増えるのは、自治体の選択の問題」と説明した。