防疫当局は、15日に行われる総選挙を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)伝播が非常に憂慮されるヤマ場とみて、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)、ビニール手袋の着用などの防疫指針の実践を重ねて強調した。総選挙当日は全国的に移動が避けられないため、ややもすればソーシャル・ディスタンシングが緩み、「静かな伝播」の引き金となり得るからだ。
14日にCOVID-19への感染が新たに確認されたのは27人で、累計患者数は1万564人となった。8日(53人)を除けば、新たな感染者数は先週から1日当たり50人未満を維持している。完治して隔離解除された患者は8万7534人で87人増えた一方、隔離中の患者は前日より65人減って2808人となった。
中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長はこの日の定例ブリーフィングで「最近、新たな感染者の増加幅が明確な減少傾向を示しているが、絶対に油断してはならない。今がCOVID-19を確実に減らせる最も重要なヤマ」と述べた。そして「投票日は休日であり、春の陽気が続いているため、ソーシャル・ディスタンシングの実践がさらに疎かになるのではないかと懸念される。投票所で列を作る際、1メートル以上の距離を取り、発熱チェックやビニール手袋の使用など、心得をきちんと守ってほしい」と呼びかけた。
この日のソウル市の発表によると、ソーシャル・ディスタンシングが実施された3月第1週の平日(2~6日)の1日平均の公共交通機関利用客は、国内でCOVID-19感染者が確認される直前(1月1~19日)の平日より34.5%減少したが、今月6~10日には28.3%の減少にとどまっている。公共交通機関の利用減少率が鈍化しているのだ。
防疫当局は、世界保健機関(WHO)が定めた4段階のCOVID-19危険度で、韓国はレベル3に当たると明らかにした。レベル1は感染者が一人も確認されていない段階。レベル2は海外からの流入のみ、もしくは1~2件の散発的な感染にとどまっている段階。レベル3は小規模ながらも集団感染が続いている段階、レベル4は地域社会で伝播が起こっている段階だ。中央防疫対策本部のクォン・ジュヌク副本部長は「強力なソーシャル・ディスタンシングによって、(今月7日に)レベル4からレベル3にようやく下がった。大邱・慶尚北道、首都圏の医療機関などを中心に依然として集団発生が続いているが、レベル2を目指して努力している」と説明した。クォン副本部長は「投票日には全国的に多くの移動が避けられないだろう。中国や一部の欧州諸国のような強力な社会的封鎖をせずとも、現在の防疫対策で管理できるかどうかが試されている」と述べた。
さらに防疫当局は、再び陽性判定が出る原因と発生の割合、ウイルスの感染力の有無などを調査しており、再陽性の可能性を考慮した隔離解除者の管理策を追加で打ち出すと明らかにした。隔離解除後に再び陽性判定を受けたのは計124人で、20代(22.6%)が最も大きな割合を占める。次いで50代(18.5%)、30代(15.3%)、80歳以上と40代(各10.5%)の順だった。クォン副本部長は「感染者の中でも20代の次に50代が高い割合を占める」と説明した。
クォン・ジダム、チェ・ハヤン、ソン・ギョンファ記者