4月15日の総選挙を控え、院内政党の競争と同じくらい、比例代表の議席を狙う少数政党の競争も熾烈だ。未来韓国党、共に市民党、正義党、開かれた民主党は、比例代表議席の割り当て下限である3%を無難に超えるものとみられるが、院内政党の中でも比例投票支持率が3%前後でぎりぎりの党がある。
■3%ぎりぎりの院内政党たち
まず、アン・チョルス代表一人に依存する国民の党は3%をかろうじて上回る比例支持率を示している。ハンギョレがソウル大学国際政治データセンターと共同で実施した1月から4月第1週までの3カ月間にわたる「比例代表投票意向調査」を総合して実施したメタ分析によると、4月第1週の国民の党の比例支持率は4.1%だ。3月初めからアン・チョルス代表が「大邱(テグ)医療ボランティア」に取り組んでからやや持ち直し、3月中旬には5.8%まで上がったものの、再び停滞している。現状を維持するなら、国民の党は3~4議席の比例議席の確保が可能だ。
民生党は20議席を持ち名実共に院内交渉団体だが、比例支持率は3%を下回っている。民生党は3月の間はずっと1%未満だったが、最近2.4%まで持ち直した。民生党にはまた別の可能性も残っている。公職選挙法189条によると、政党得票率が3%でなくても選挙区で5議席以上を占めた政党なら比例議席を得られる。現在の20議席のうち5議席さえ守れば、民生党は比例議席を得ることができる。
残りの院内政党は1%未満のわずかな比例支持率を示している。民衆党は一部の調査で2%を超えたものの、総合推移は0.7%にとどまった。“親朴”(朴槿恵支持)政党のウリ共和党と親朴新党はそれぞれ0.8%、0.2%だった。彼らも一部の調査では2%を超えたが、3%を超える調査結果は1件もなかった。
■院外政党25党…公報物を出したのは10党だけ
党番号13番以下は、世論調査にも上がらない25の院外政党が名を連ねた。このうち、中央選挙管理委員会に比例代表の選挙公報物を登録した党は、(カジャ)コリア、国家革命配当金党、キリスト教自由統一党、緑色党、大韓党、未来党、女性の党、自由党、統一民主党、弘益党の10党のみ。
最も歴史の長い院外政党は、2008年に結党した進歩新党の後身である労働党(22番)だ。彼らは平等・平和・生態社会主義憲法の制定、週30時間への労働時間の短縮などを主要な公約に掲げている。創党8年目の緑色党(23番)もある。脱原発、フェミニズム、動物権などを公約に掲げた緑色党は、第20代総選挙で0.76%(18万2301票)を獲得した。2018年の地方選挙の時は、済州道(チェジュド)広域議員比例代表選挙で4.87%を得る底力を見せた。
2017年に発足した青年政党の未来党(26番)は、若者に3年間の基本所得を保障するという公約を掲げた。国会議員の基本給を最低賃金に合わせる政策も彼らの主要な公約だ。未来党は、比例代表候補4人がいずれも30代の若者である点が注目される。緑色党と未来党は以前、進歩改革陣営の比例衛星政党に参加しようとしたが実現しなかった。
女性イシューを全面に掲げた女性の党(29番)もある。彼らはポルノ産業の解体、ストーキング・デートDVの量刑強化、生理用品の生涯無償支給などの公約を掲げた。先に、女性の党はツイッターでホテル新羅のイ・ブジン社長に「1億だけ出してください。韓国女性の未来に投資してください」という広告を掲載し、波紋が広がると謝罪した経緯がある。
■院外も染まる「政治の二極化」
朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾後、初めて行われる総選挙であるだけに、「太極旗部隊」系の政党の乱立もかなり多い。コリア党(13番)は朴前大統領の弾劾を否定し、「憲法裁判所の解体」を公約した。前回の第20代総選挙で2.63%を得て、あと少しで院内に進入する勢いを見せたキリスト自由統一党(19番)は、選挙公報で朴前大統領について触れてはいないが、光化門(クァンファムン)の太極旗集会の写真を載せた。自由党(31番)も「憲法裁判所解体」を公約し、5・18光州(クァンジュ)民主化運動の「北朝鮮軍介入」について真実を明らかにすると主張している。
最近結成された親民主党系の政党もある。目覚めた市民連帯党(20番)と未来民主党(27番)だ。目覚めた市民連帯党は、親文(文在寅支持)性向のユーチューブチャンネル「ケシヨンTV」の司会者イ・ミング氏が代表だ。イ氏はユーチューブの放送で「18の政党が連動型比例を求めて押しかけているので、『文(在寅)派の目覚めた市民』たちも準備しなければならないのではないかと思い、創党準備委員会に届け出た」と明らかにした。未来民主党は「親イ・ジェミョン系」を掲げているが、当のイ・ジェミョン京畿道知事は「私とは無関係で、知りもしないこと」と一線を画した。
今回の総選挙に参加する有権者は計4397万939人。2016年の総選挙の投票率基準で3%の政党得票率を上げるためには、76万5094人の選択を受けなければならない。中都市人口に匹敵する規模であり、決して少なくない票数だが、少数政党にとっては「魔の壁」だ。巨大政党が比例議席を侵食するために比例衛星政党を作り、少数政党が直面した「魔の壁」はさらに高まった。今回の総選挙で、果たしてどの少数政党が3%の壁を越え、比例代表の議席を得ることができるだろうか。