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東京五輪の延期可能性に世界のスポーツ界に波紋広がる

登録:2020-03-24 06:16 修正:2020-03-24 07:55
今月23日、東京都内にある2020東京五輪の電光掲示板が開幕まであと123日と示している=東京/AP・聯合ニュース

 2020東京五輪の延期の可能性が高まったことで、韓国スポーツ界にも波紋に広がっている。

 大韓体育会は23日、東京五輪の延期をめぐる国際オリンピック委員会(IOC)の議論について、最終決定が出るまで特に言及することはないという慎重な姿勢を示した。しかし、選手たちが感じる虚しさなどの心理的ショックと今後の選手村の管理に神経を尖らせている。

 現在、忠清北道鎮川(チンチョン)選手村にいる韓国代表選手たちは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による選手村の防疫と外部出入り統制で、練習の効率が下がっているという。シン・チヨン選手村長は「選手たちの集中力が落ちている」と述べた。そのうえ、五輪延期の可能性が高まったことで泣き面に蜂の状態だ。

 大会が延期されれば、選手たちが準備してきたこれまでの努力が振り出しに戻る。選手らは通常、大会開催の時期に合わせて6カ月~1年前から体の状態を整える。しかし、7月の五輪を目標に練習してきた日程に変化が生じれば、ゼロの状態から再出発しなければならない。1年以上練習を続けるのは容易なことではない。

 五輪出場資格の維持も問題になる。サッカーやバレーボール、バスケットボールなどの団体競技はすでに五輪出場権を確保し、1年延期されても既得権を認められる。しかし、個人種目は違う。通常、五輪ポイントが与えられる世界大会の成績を基準に出場資格を取得できるが、1年延期された場合は五輪ポイントも影響を受けるため、混乱が生じる。

 年齢超過などで五輪出場の機会がなくなるケースも考えられる。サッカーの場合、ワイルドカード3人を除いて23歳以下に年齢制限を設けているが、今年出場権を獲得した選手が来年には出場できない場合もある。個人種目でも引退や体力の限界のため、今回の五輪を最後の挑戦と考えていた選手が被害を受ける可能性もある。

 IOCも東京五輪を延期した場合に起こる影響を心配している。1896年アテネ五輪を基点に始まった現代の五輪は、これまで第一次世界大戦(1916年)と第二次世界大戦(1940年、1944年)を除き、4年毎に開催されてきた。IOCは大会の連続性の観点から不発に終わった大会も開催回数に入れている。韓国は戦争中の1952年に行われたヘルシンキ五輪にも選手団を派遣した。

 戦争を除いて唯一となる大会日程の変更の場合、“4年周期”の不変の行事と思われてきた五輪の伝統が崩れることになる。慣例が破られれば、今後の五輪開催の安全性が揺らぐ。伝染病などのイシューが大会を揺るがす恐れもある。

 IOCは財政的にも大きな損害を甘受しなければならない。IOCが所有する放送中継権はすでに販売されている。大会が延期されれば、予定されていた収益を確保できない。IOCの収益の一部が配分される各国際連盟(IF)も、収入源に打撃を受ける。各国の放送局が五輪のために準備してきた番組も使い道がなくなる。

 日本オリンピック組織委員会も職員と運営要員、ボランティアなど人材管理問題を解決しなければならない。また、個別の競技場施設の確保や維持管理にも追加費用がかかる。IOCが延期するかどうかを決めるのに4週間のデッドラインを設けたのも、損益関係があまりにも複雑に絡み合っているからだ。

 大韓体育会と文化体育観光部は、五輪を延期するかどうかによって対応策を発表する予定だ。大韓体育会の関係者は「もし五輪が延期されれば、変更日程に合わせて選手村の運用やトレーニング日程の変更などを計画している」と述べた。

キム・チャングム先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/933772.html韓国語原文入力:2020-03-24 02:41
訳H.J

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