本文に移動

トランプ大統領、金委員長に親書…「新型コロナ防疫に協力する用意ある」

登録:2020-03-23 05:23 修正:2020-03-23 07:28
朝鮮民主主義人民共和国の平壌市万景台区域にある龍岳山石鹸工場で今月19日、従業員らが消毒液を生産している。北朝鮮もCOVID-19の防疫に力を入れている/聯合ニュース

 米国のドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長宛に親書を送り、朝米関係の進展に向けた構想を説明すると共に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の防疫に協力する意向を示したと、金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が22日、談話を通じて公開した。

 金第1副部長は「米国大統領が送った親書は朝米両首脳間の特別な個人的親交関係を示した」と題した談話で、「我々は金正恩国務委員長同志に送ったドナルド・トランプ米合衆国大統領の親書を受け取った」と述べた。金第1副部長は「トランプ大統領が親書で朝米関係の進展に向けた構想を説明した」としたうえで、COVID-19の防疫で協力する意向も示したと伝えた。親書を受け取った日付は公開しなかった。

 これに先立ち、4日には、金委員長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領に親書を送り、COVID-19の被害(とその対応に対する)労いの言葉をかけており、その翌日には文大統領が謝意を示す返信を送った。COVID-19が猛威を振るう中、南北米首脳の“親書外交”が再現されたわけだ。首脳間の信頼を維持することで“非核化交渉の空白”を管理しようとする意図がうかがえる。

 金第1副部長が個人名義の談話を出したのは今回が2度目だ。金第1副部長は今月3日、「(韓国)大統領府の低能な考え方に驚愕する」と題した談話を発表し、前日に実施された人民軍前線長距離砲兵部隊の火力訓練に強い懸念を表明した大統領府を激しく非難した。大統領府とホワイトハウスに向けて個人談話を出すほど、金第1副部長の政治的地位が高いことを示している。

 金第1副部長は談話で「トランプ大統領が最近、金委員長とあまりコミュニケーションが取れず、自分の考えを伝えるのに困難があったと言及し、今後国務委員長と緊密に連携していきたいという意向を伝えてきた」と明らかにした。それと共に「トランプ大統領のこのような親書は金正恩委員長との特別かつ深い親交を示す例だ」とし、金正恩委員長も親交関係を確言し、親書に謝意を表したと伝えた。

 しかし金第1副部長は、両首脳間の個人的な親交があるからと言って朝米関係に期待感を抱いてはならないと強調した。また「公正性とバランスが保障されず、一方的かつ欲張りな考えを改めなければ、両国の関係は悪化の一途をたどるだろう」とし、「両国の間で力学的にも道徳的にもバランスが維持され公正性が保障されない限り、両国関係とそのための対話は考えられない」と述べた。さらに「両国の関係が首脳間の関係と同じくらい良好になる日が来ることを願っているが、それが可能なのかどうかは時間をかけて見守らなければならないだろう」と付け加えた。

 これに先立ち、米国は北朝鮮のCOVID-19対応を支援するため、人道支援を行う用意があると公表してきた。マイク・ポンペオ米国務長官は18日(現地時間)、「FOXニュース」とのインタビューで「COVID-19と関連し、北朝鮮とイランに対し人道支援を提案した」と明らかにした。

ユ・ガンムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/933583.html韓国語原文入力:2020-03-23 02:41
訳H.J

関連記事