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サムスン電子、昨年営業利益は半減…半導体は“底打ち”し反騰の兆し

登録:2020-01-30 22:22 修正:2020-01-31 12:36
年度別サムスン電子 売上高・営業利益//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子の2019年の営業利益は27兆7700億ウォン(約2.5兆円)で、一年前に比べ52.84%急減した。主力事業の半導体が、2018年には好況だった反面、昨年はメモリー半導体の需要減少により不況だった影響だ。ただし、昨年第4四半期(10~12月)からは回復傾向が明確になり「底は打った」と評価されている。

 サムスン電子は30日、昨年230兆4000億ウォン(約21兆円)の売上に27兆7700億ウォンの営業利益を上げたと公示した。一年前に比べて、売上と営業利益がそれぞれ5.48%、52.84%減少した。

 実績悪化には半導体事業が最大の影響を及ぼした。「スーパー好況」と評価された2018年には、半導体部門が44兆5700億ウォン(約4.1兆円の営業利益を上げ、全体実績(営業利益58兆8900億ウォン)を牽引した。しかし、その年の第4四半期から本格化したメモリー半導体の需要減少、および価格下落が過去一年続いて、昨年の半導体部門の営業利益は3分の1水準の14兆200億ウォン(約1.28兆円)に急落した。

 半導体とともにサムスン電子の二本柱であるスマートフォンの実績も昨年は振るわなかった。スマートフォンを担当するIM(IT&Mbile Communications)の昨年の営業利益は9兆2700億ウォン(約850億円)で、それまで守ってきた「10兆ウォンの壁」が崩れた。スマートフォン事業で、年間営業利益が10兆ウォン未満に落ちたのは2011年以後初めてだ。上半期にフラッグシップ(主力商品)スマートフォンだったギャラクシーS10の販売が期待に達しなかった点などが影響を及ぼした。

サムスン電子 半導体 売上高・営業利益//ハンギョレ新聞社

 ディスプレイ部門の実績も良くなかった。売上高と営業利益がそれぞれ95兆5200億ウォン(約8.7兆円)、15兆5800億ウォン(約1.4兆円)で、2018年の118兆5700億ウォンと46兆5200億ウォンに比べ減少した。中国製の低価格攻勢が続き、特に液晶表示装置(LCD)中心の大型ディスプレイ事業で赤字幅が大きかった。

 テレビをはじめとする消費者家電(CE)は、それなりに善戦した。昨年の売上高と営業利益は、それぞれ44兆7600億ウォン(約4.1兆円)、2兆6100億ウォン(約19百億円)で、2018年の42兆1100億ウォン、2兆200億ウォンに比べ小幅に増えた。

 暗い一年だったが、最近の流れは悪くない。同日にあわせて公示された昨年第4四半期の半導体部門の実績は、売上高16兆7900億ウォンに営業利益は3兆4500億ウォンだった。昨年第3四半期の営業利益(3兆500億ウォン)が3兆ウォン台をかろうじて守ったのに比べ、13.11%増加した。半導体の営業利益は、2018年第4四半期の7兆7700億ウォンから2019年第1四半期に4兆1200億ウォン、第2四半期には3兆4000億ウォンに減少した後、第3四半期で“底”を打ち反騰する流れだ。

 市場では、今年の半導体の業況回復に対する期待が強いが、サムスン電子は同日のカンンファレンスコールでやや慎重な展望を出した。サムスン電子は、特にデータセンターサーバー用メモリー半導体の需要への期待が大きかったことに対して「需要拡大が観察されるが、本格的に需要反騰サイクルに進入したと見るには考えるべき事が多く慎重な立場」と明らかにした。サムスン電子は、今年のDRAMのビットグロス(ビット単位に換算した生産量増加率)は10%台の中盤、NANDフラッシュの場合は20%中後半台になるだろうと予想した。スマートフォンの場合、フォルダブルフォンの追加発売と5世代(5G)移動通信用ラインナップの拡大で、今年第1四半期(1~3月)の売上は改善されるだろうが、マーケティング費用の増加で営業利益は直前四半期の水準を維持するだろうと展望した。

 同日、株式市場でのサムスン電子の株価は、前日より3.21%下落した。サムスン電子が市場の予想より保守的態度を見せたうえに、新型コロナウイルス感染の拡散で不確実性が高まった点などが影響を及ぼしたと見られる。

ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/926304.html韓国語原文入力:2020-01-30 20:38
訳J.S

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