大統領府は21日、釜山(プサン)で開かれる韓-ASEAN特別首脳会議に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が出席してほしいという文在寅(ムン・ジェイン)大統領の要請を北朝鮮が断ったことに対し、無念さをにじませた。
コ・ミンジョン大統領府報道官は同日、「金委員長が文大統領とともに平和繁栄に向け、ASEAN10カ国の首脳と同席する、容易ではない機会を活用できなくなったことについて、非常に残念に思う」と述べた。コ報道官はまた、「政府は南北首脳があらゆる可能な契機に会って、南北間の協力と朝鮮半島の平和定着に対して国際社会の理解と支持を得られるように努力する必要があると考えており、このような立場に変わりはない」と付け加えた。
大統領府高官もハンギョレとの電話インタビューで、「金委員長が直接来られなければ、特使でも送ってくれることを切望していたが、(それさえ実現せず)非常に残念だ」とし、「しかし、北朝鮮側が丁重なトーンで(断りの)意思を表明した点は評価に値する」と述べた。別の大統領府関係者も、「北朝鮮はメッセージの表現とトーンにかなり注意を払ったようだ。内容も理解できる面があるが、最後まで期待していただけに、可能性がなくなり残念だ」と述べた。
これに先立ち、文大統領は金正恩国務委員長が送った弔意文に対する返信の形で、釜山行事への出席を要請する親書を送った。コ報道官は「文大統領が母親の死去に際しての金委員長の弔意文に対し、今月5日に返信を送った。同書簡で『2019韓-ASEAN特別首脳会議』に金委員長が出席できれば、朝鮮半島の平和定着に向けた南北の共同努力を国際社会の支持に拡散するのに役立つだろうという考えを表明した」と述べた。
大統領府は、北朝鮮側に親書を送った後、水面下の交渉も行ったという。「朝鮮中央通信」は、「文大統領の親書が届いた後も、何度も国務委員会委員長が来られないなら特使でも訪問してほしいという切実な要請を送ってきた」と明らかにしたが、大統領府側は「詳しい過程については言えない」と述べた。