15日に平壌(ピョンヤン)で開かれる南北間のワールドカップサッカー予選の中継放送が見送られたという。北朝鮮は、韓国メディアの取材と応援団の入国も許可しなかった。南北が対戦する男子代表チームの試合は29年ぶりである上、ワールドカップ本大会進出を争う試合なので関心が高いが、国民は試合が終了してから結果を知ることになる可能性が高まった。北朝鮮による生中継の不許可と取材陣の入国拒否は国際慣例に反する行動であり、非常に遺憾である。
北朝鮮サッカー協会は先日、大韓サッカー協会に対して、生中継および取材陣の入国については「権限外の問題」とし、「南北当局間で協議すべき」と伝えてきた。このため政府は北朝鮮に協議を要請したが、何の回答もなかったという。最近の朝米協議の決裂などの朝鮮半島情勢と連動した政治的判断が今回の決定に影響を与えたことを示唆する。特に、韓国の対北朝鮮政策に対する不満の表出の性格があるように思われる。
中継権などは主催国のサッカー協会にあるため、北朝鮮の今回の措置をきっぱり「規定違反」と断定するのは難しい。しかし、サッカー競技を政治に利用することはスポーツ精神に反するだけでなく、南北関係の進展にも役立たない。むしろ韓国国民の間に「北朝鮮は国際慣例も守らない国」という否定的な認識のみを拡散させる可能性が高い。このような北朝鮮に対する認識悪化は、南北和解協力政策の基盤を弱める方向に作用するだろう。北朝鮮が態度を改めることを求める。