李洛淵(イ・ナギョン)首相が22日に行われる徳仁天皇の即位式に出席する可能性が高いという日本マスコミの報道が相次いでいる。しかし、政府は依然として「誰が行くかは決まっていない」という態度だ。冷え込んだ韓日関係を改善するための日本政府の措置が示されていないのに、韓国側が先に誰を祝賀使節として送るか論じるのはまだ早いということだ。
NHKは9日、李首相が天皇即位式に出席するため訪日するものと見られており、安倍晋三首相が李首相との短い会談を検討していると報じた。共同通信も韓国政府が即位式に李首相を派遣するという立場を日本側に伝えて両国が最終調整に入ったと、7日付で報道した。
しかし、韓国政府高官は日本のマスコミの報道内容を否定した。彼は「天皇の即位式に誰が行くかは、今週末か来週初めに決まるものとみられる」と述べた。大統領府関係者も「(祝賀使節を)送るかどうかを含め、何も決まっていない。(もし行くとしても)文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席する可能性は高くない」と述べた。
政府と大統領府が約束したかのようにこのような反応を示したのは、日本政府に先制措置を求める意味も含まれている。大統領府関係者は、「我々は対話による問題解決の原則を貫いているが、日本が前向きな措置を取っていない状況だ」と語った。つまり、世界各国使節が出席する天皇の即位式は、韓日両国の高官が自然に向き合う対話の場を設けられるチャンスであるにもかかわらず、政府は日本から注目すべき関係改善の“シグナルを”を受け取っていないとみられる。
即位式への出席は、李洛淵首相にとっても負担にならざるを得ない。首相室関係者は「首相が出席すれば、何らかの成果を期待される雰囲気がある」と語った。外交関係者の間では来月22日の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了や、徴用工請求権関連の日本企業資産現金化処置など、他の問題が残っているだけに、天皇の即位式そのものが両国の関係に及ぼす影響は少ないという見通しもある。
しかし、即位式が日本の国家的慶祝行事であるだけに、政府使節を送らざるを得ず、誰かを送らなければならないなら李洛淵首相になるだろうというのが大方の予想だ。李首相は記者時代、東京特派員を務めるなど代表的な「知日派」で、韓日関係を解決する適任者に揚げられてきた。1990年の天皇即位式の際、カン・ヨンフン当時首相が出席した先例もある。
日本は22日、徳仁天皇即位を対外的に知らせる儀式である「退位礼正殿の儀」を行い、即位式には世界各国と国際機関の要人約200人が出席する予定だ。英国のチャールズ皇太子や中国の王岐山国家副主席、米国のイレーン ・チャオ運輸長官らが出席を通知した。安倍首相は、即位式当日の22日を除いた21日から25日の間に、即位式に出席する国外要人のうち約50人と会談する予定だ。安倍首相が李首相と会談するなら、このような形になる可能性が高い。