大韓イエス教長老会統合(統合PCK)教団が26日、ミョンソン教会の世襲を事実上認める決定を下した。ミョンソン教会の設立者であるキム・サムファン牧師の息子キム・ハナ牧師が2021年からミョンソン教会担任牧師を引き継げるようにしたのだ。魂の救済を目的とする教会すらも、企業を継ぐように継承してもいいと承認したも同然だ。嘆かわしいことこの上ない。
今回の決定は教団憲法まで無視した超法規的な決定ということで、さらに問題が大きい。ミョンソン教会の世襲問題は、2015年12月にキム・サムファン牧師が引退した後、2017年にキム・ハナ牧師が牧会職を世襲したことから発生した。キリスト教界の内外で批判が噴出した。結局2年余りの論争の末、教団裁判局は先月初め、教団憲法の牧会職世襲禁止条項に基づき、ミョンソン教会父子世襲を無効とした。しかし今回、統合PCK教団は裁判局の判決は判決として認めつつも、キム・ハナ牧師の2021年の担任牧師職就任を容認した。事実上、教団憲法を無力化した決定だ。しかも教団はこのような決定を下しながら、誰も教会法や国の法に基づいて異議申し立てをすることができないという決定を同時に下した。ミョンソン教会の世襲を保障するために法と常識を投げ出したと非難せざるをえない。
統合PCK教団がこのような無理な決定を下したのは、ミョンソン教会の威勢に屈したものとしか考えられない。ミョンソン教会は登録信者が10万人に達し、統合PCK教団所属の教会の中で最も規模が大きい。ミョンソン教会側は、教団が世襲を認めない場合、教団を脱退する可能性を流布した。結局、教団が巨大教会のカネと力に押され、社会的な非難を押し切るかたちで超法規的な決定を下したわけだ。
統合PCK教団の今回の決定は、教会世襲の免罪符になるということから、なおいっそう憂慮される。教会世襲反対運動連帯が2013~2017年に調査した結果によれば、全国の143の教会で世襲が行われたことが分かった。教団憲法をあざ笑うかのように世襲慣行が広がっているが、今回の決定によりキリスト教界の悪弊が何の制御装置もなく広がる道が開かれてしまった。韓国教会の退行がさらにひどくならないか心配だ。社会の光と塩になるべき教会の、世俗の欲による歪みは、教会に対する不信を増大させ信徒を教会からいっそう遠ざけるものとなることを、キリスト教界は今からでも悟るべきだ。