日本の外務省関係者は9日、韓国に対する輸出規制強化処置が昨年10月の韓国最高裁(大法院)の強制動員の判決に対する報復処置ではなく、審査過程に問題がなければ、輸出許可を出すという従来の立場を繰り返した。
同関係者は同日午後、東京都で約1時間、韓国特派員たちを対象にした韓日関係の懸案ブリーフィングで、「経済産業省から一貫して聞いているのは、(輸出規制と関連して)恣意的な運用はありえず、きちんとした書面審査を通じて判断した結果、輸出されなければならないものは輸出されるということ」だとし、「昨日、世耕弘成経済産業相が発表したように、韓国への輸出品の一部に対する輸出許可は今後も続くと思われる」と述べた。
同関係者は、輸出規制強化処置が「旧朝鮮半島出身労働者(強制動員被害者)への賠償判決に対する報復処置ではないと思う」としながらも、「処置が取られた背景には韓国に対する信頼の欠如があり、その根底には旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦合意の破棄など、昨年末から起きた全てのことが重なっている」と述べ、関連性を否定しなかった。彼は「旧朝鮮半島出身労働者問題は日本としては越えてはならず、守らなければならない問題だ」だとし、「韓国最高裁の判決で韓日請求権協定を覆したのは韓国なので、韓国が解決策を出すべき」という従来の立場を再確認した。
同関係者は「旧朝鮮半島出身労働者問題など、韓日の懸案の出口を探すため、多様なチャンネルの外交努力も続けなければならない」としながらも、韓日首脳会談の開催については「首脳会談は結論を出す場なので、出口が見えなければならない」とし、両国が対峙する状況では実現の可能性は低いと見通した。
同関係者は、米国は韓日の対立と関連し一貫して「関与はするが、仲裁はしない」という態度を取ってきたとし、米国内では、太平洋戦争の終戦後に米国主導で行われたサンフランシスコ平和条約に基づいて締結された韓日請求権協定を韓国が“リライト(再作成)”しようとしているのではないかという懸念の声もあがっているとも主張した。彼は、韓国が24日まで延長の可否を決定しなければならない韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄可能性を取り上げているため、非常に憂慮しているとしたうえで、同協定の延長を強く希望するという意向を示した。