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政府「韓国のキャッチオール、日本より厳しい…日本は局長級協議に応じるべき」

登録:2019-07-18 05:40 修正:2019-07-18 07:53
韓国と日本の政府の代表が12日、東京都千代田区の経済産業省で、日本の韓国に対する輸出規制に関する実務会議をするために座っている=東京共同取材団//ハンギョレ新聞社

 「キャッチオール制度をはじめとする韓国の輸出管理に問題がある」として、輸出規制を強化している日本政府の主張が、事実と異なるという根拠が相次いで出ている。両国のキャッチオール法令と運用方式を比較してみると、武器の製造・開発に使える物品輸出を防ぐための「事前予防統制」制度の場合、韓国の方が日本よりきめ細かいことが分かった。米国のある非営利機関の研究でも、韓国の戦略物資貿易管理制度は17位、日本は36位だった。韓国政府は、日本に局長級協議会を早期に開催するよう書面で要請した。

 パク・テソン産業通商資源部貿易投資室長は17日、政府世宗(セジョン)庁舎で記者団に対し、韓国と日本のキャッチオール制度について説明した。キャッチオールとは、ワッセナー協定など4大国際戦略物資統制体制が定めた輸出統制品目(1735個)ではないものの、武器の製作・開発またはテロに活用できる品目について、各国が補完的に運用する「非戦略物資の輸出統制制度」だ。韓国と日本の企業は、輸出先が武器に転用される状況では、政府の輸出審査および許可を受けなければならない。

 政府の許可を受けなければならない“要件”を綿密に検討すると、日本は韓国より緩やかだ。韓国企業は友好国であるホワイト国(29カ国)に輸出する場合も、通常兵器に輸出品が転用される可能性がある際には、政府に購入者や最終荷受者、使用者、最終用途を把握し報告したうえで許可を受けなければならない。しかし、日本企業はホワイト国(27カ国)に輸出する際は、キャッチオール規制を一切受けない。キャッチオールは、兵器製作などに使われるすべての品目(all)を、誰がどこに使うかを確認し、統制(catch)しようとする制度だ。

 ホワイト国以外に輸出する場合、韓国企業は兵器転用を認知した場合だけでなく、価格や支給条件、納期日など13の状況を調査し兵器への転用が“懸念”される場合まで、政府に最終用途と使用者などを報告しなければならない。一方、日本企業はアフガニスタンや北朝鮮など9カ国の国連兵器禁輸国でない限り、非ホワイト国でも政府が許可を求めない限り、事前報告の義務はない。

 法令体系を見ても、韓国の制度はより強力だ。韓国は法律(対外貿易法第19条)にキャッチオールの根拠規定が明示されているが、日本の外国為替および外国貿易法にはそれがない。日本の同法には「国際平和のため、政令によって輸出許可が可能」としただけで、キャッチオール制度は施行令(輸出貿易管理令)に包括的に委ねられている。キャッチオールによる輸出統制対象品目を関税賦課用商品分類体系(HSコード)で並べてみても、韓国の統制対象品目の範囲が日本より広い。

米国科学国際安保研究所(ISIS)が世界200カ国の戦略物資貿易管理制度を評価し、今年5月23日に発表した研究結果「危険の流布指数(PPI:Peddling Peril Index)2019」によると、韓国の戦略物資貿易管理制度は17位、日本は36位だった//ハンギョレ新聞社

 韓国の輸出統制レベルが日本より高いことは、米国のある非営利研究機関の研究でも明らかだ。米国科学国際安保研究所(ISIS)が、核専門家のデービッド・オルブライト研究所長の主導で世界200カ国の戦略物資貿易管理制度を評価し、今年5月23日に発表した研究結果「危険の流布指数(PPI: Peddling Peril Index)2019」によると、韓国の戦略物資貿易管理制度は17位、日本は36位だった。1位は米国で、英国やスウェーデン、ドイツなどが高くランクされている。

 同研究の評価項目にもキャッチオール制度が含まれている。評価項目は核拡散防止条約の締結など国際社会との約束(100点)やキャッチオール制度など戦略物資貿易を規制・監視して不法取引を防止するための法規(200点)、戦略物資貿易を監視・発見する能力(200点)、拡散資金調達を阻止する能力(400点)、執行力(400点)など5つであり、総点は1300点だ。韓国は国際公約と法規で高い点数を獲得し、計897点という評価を受けた。日本は、法規と拡散金融を防ぐ能力で韓国より低い点数を記録し、818点と評価された。

 パク室長は「韓国は世界で最も先進的な事前予防統制システムを運用している」とし、「4大体制は、加盟国間の信頼を基礎にした集団協力体制だ。日本はこうした趣旨を揺るがし、(輸出規制の強化を通じて)一方的かつ不当に韓国を差別した」と述べた。パク室長は「日本が(韓国の制度が緩いという)の証拠を提示しようとすれば、いつでも応じる準備ができている」とし、「16日、日本に書簡を送り、局長級協議会の早期開催を要請した」とも説明した。

チェ・ハヤン、パク・ミンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/902149.html韓国語原文入力:2019-07-17 19:59
訳H.J

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