文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、日本の大阪で28日から開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席し、朝鮮半島の非核化と平和定着に向けた多国間外交に乗り出す。文大統領は、G20が開催される2日間、中国やインドネシア、ロシア、カナダだけでなく、アルゼンチンやオランダ、インドなど7カ国の首脳と会談を行う予定だ。
キム・ヒョンジョン大統領府安保室2次長は25日「文大統領は今回のG20首脳会議に出席することを機に、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和定着に向けた韓国政府の努力と、平和が経済発展につながり、経済発展がまた平和を強固にする平和経済の時代を切り開いていく韓国政府の朝鮮半島政策の方向についても説明する計画」だと述べた。G20首脳会議は、2008年グローバル金融危機を克服するためワシントンで発足したが、2014年以降は構造改革や気候変動など経済社会イシューを広範に扱っている。
文大統領は今回のG20首脳会議で、中国の習近平主席やロシアのウラジーミル・プーチン大統領など、最近北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会談した首脳らと相次いで会談し、意見を交換する。大統領府高官は「習近平中国主席との個別会談で、訪朝結果を聞くと共に、朝鮮半島問題に対する持続的かつ建設的な協力を講じる予定」だと述べた。さらに「文大統領はプーチン大統領とも朝鮮半島情勢について意見を交わし、平和プロセスの推進に向けたロシアとの協力策についても協議する」と述べた。文大統領は28日午後、プーチン大統領と首脳会談を行う。習近平主席との具体的な会談時間はまだ論議中だと大統領府は説明した。
また、大統領府高官は、金委員長がロシアや中国の首脳と相次いで会談しながらも、文在寅大統領とは会談しないなど、文大統領の仲裁者の役割が縮小されたという分析に対し、「韓国が疎外されているというのは全く事実ではない」と強調した。
彼は「公開できない活動を続けている。中ロとの会談が終わった直後、韓米首脳会談を行う予定だ。私たちは米国と持続的に協力し、情報を得ると同時に、多く提供している」と説明した。彼はハーバート・マクマスター前ホワイトハウス国家安保補佐官とは11カ月間で16回会い、30回電話協議を行っており、ジョン・ボルトン補佐官とは14カ月間で5回会い、52回にわたって電話で協議したと明らかにした。さらに、彼は「チョン・ウィヨン国家安保室長が6月1~2日、中国を訪問した。だからこそ、習近平中国主席が訪韓しないと言うことができたし、その時すでに習主席の訪朝可能性について予想できた」と述べた。
彼は「文大統領がトランプ大統領に伝える(金正恩委員長への)メッセージがあるか」という質問に、「G20で中国と首脳会談を行い、韓国で韓米首脳会談を行う。そのうえ、韓国にも北朝鮮チャンネルがある。円滑に疎通している」と答えた。