朴槿恵(パク・クネ)前大統領が、過去の強制徴用再上告事件と関連して、最高裁(大法院)に対し政府の意見を伝えるよう指示し「赤恥をかかぬようにせよ」と発言した情況が、当時大統領府関係者の業務日誌を通じて明らかになった。
13日、ソウル中央地裁刑事36部(裁判長ユン・ジョンソプ)審理で開かれたイム・ジョンホン(60)元最高裁事務総局次長の裁判に、キム・ギュヒョン元外交安保首席(秘書官)が証人として出席し、キム元首席の業務日誌が書証調査を通じて公開された。2015年12月に作成された業務日誌には「強制徴用事件に関連する政府意見を明確にし、早く送ること。赤恥をかかないようにせよ。世界の中の韓国に留意。国の品格損傷。 賢明に処理せよ」と書かれていた。キム元首席によれば、これは朴槿恵前大統領の指示事項をそのまま書いたものだ。2015年12月、日本軍「慰安婦」韓日合意問題を報告するために、朴前大統領に電話をかけ、朴前大統領が通話の最後に強制徴用再上告事件に言及し、このような指示を与えたという。
キム元首席は「朴前大統領が『政府の意見を最高裁(大法院)に送り、問題を終結するようにせよ』と指示した。『赤恥をかかないように』との表現は、言われた後に表現が気になったのか『世界の中の韓国の地位を考慮して、国の品格が傷つかないように賢明に処理せよ』と、ユン・ビョンセ外交部長官に伝えよと言われた」と説明した。
そして「当時2012年、外交部は最高裁(大法院)判決が政府の立場に相反すると考えた。そのような意味で、判決内容が政府の立場と合わなければならないという意味から出た表現として理解した」として「2012年の最高裁判決がそのまま確定するならば赤恥をかきかねないという意味」と説明した。キム元首席は、朴前大統領の指示事項をイ・ビョンギ当時大統領秘書室長とユン・ビョンセ長官にそのまま伝達したという。
キム元首席は、朴槿恵政府当時の2012年~2014年に外交部次官補、1次官を歴任した。2015年から2017年までは大統領府大統領秘書室外交安保首席を務めた。
ヤン・スンテ最高裁長官の最高裁事務総局と朴槿恵大統領の大統領府、ユン・ビョンセ長官の外交部は、日帝強制占領期間の強制徴用被害者事件の裁判を遅延させ、裁判結果を覆そうとしたという疑惑を受けている。イム・ジョンホン元次長は、裁判官の海外派遣のポストを勝ち取るために、外交部に有利な「参考人意見書提出制度」を導入したという容疑などで裁判を受けている。7日、パク・ジュンウ元大統領府政務首席は、イム元次長の裁判に証人として出席し「朴槿恵前大統領が強制徴用事件の最高裁最終判決を最大限遅らせることを承認した」と証言した。