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在韓米軍、THAADの正式配備に向けた手続き始めるか

登録:2019-03-13 06:41 修正:2019-03-13 08:33
在韓米軍が2017年9月10日、慶尚北道星州のTHAAD基地に搬入したTHAAD発射台施設の補強工事を行っている//ハンギョレ新聞社

 在韓米軍が先月21日、慶尚北道星州郡(ソンジュグン)のTHAAD(高高度防衛ミサイル)基地70万平方メートルに対する事業計画書を提出したことが、12日に確認された。米国が正式にTHAAD配備に向けた手続きに入ったことを意味する。

 在韓米軍が提出した事業計画書には、THAAD基地の造成と運用に関する詳細な内容が盛り込まれているという。チェ・ヒョンス国防部報道官は同日、「事業計画書の細部内容をめぐる実務協議が進められている」とし、「政府は民主的手続き的正当性と透明性を確保するため、国内法に基づき、一般環境影響評価(アセスメント)を実施する予定だ」と述べた。

 一般環境影響評価に入るためには、事業計画書評価協議会の構成および審議、評価書の草案作成および協議、住民の公聴会および説明会の開催、評価書本案の作成および協議をまず行わなければならない。一般環境影響評価は通常1年程度かかると予想されるが、協議過程で意見の食い違いが生じたり、住民の意見聴取の過程で衝突が発生した場合、一般環境影響評価まで進むだけでも相当な時間がかかる可能性がある。

 中国と北朝鮮の反応も配備に影響を及ぼす要因になり得る。中国はTHAAD配備に反発し、韓国に経済的報復まで加えたが、2017年10月、韓国がいわゆる「3NO」(THAADの追加配備、ミサイル防衛への参加、韓日米軍事同盟を追求しない)立場を表明したことで、関係改善に乗り出した。キム・ハングォン国立外交院教授は「昨年後半以降、米中戦略的競争の構図で米国の優位が明確に表われた状況なので、中国も一定ラインを越えた対応はしないだろう」としながらも、「中国はTHAADの役割と機能が拡大しないよう牽制するだろう」と見通した。北朝鮮もTHAADの正式配備が朝鮮半島の非核化に障害をもたらすと反発する可能性がある。

 朴槿恵(パク・クネ)政権は2017年3月、星州THAAD基地にレーダーとミサイル発射台2機を配置した。当時、米軍に供与した敷地(32万平方メートル)が環境影響評価法上、住民の意見集約手続きを経なくてもいい33万平方メートル以下だとして、小規模環境影響評価を実施したが、後に一般環境影響評価を避けるために70万平方メートルの敷地を分けて供与していた事実が判明した。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は2017年7月、「手続き上の正当性を確保することが重要だ」として、一般環境影響評価を実施することを決めた。しかし、在韓米軍がこれまで事業計画書を提出しなかったため、THAADの正式配備が見送られてきた。国防部関係者は「米国が国内環境法規とTHAAD基地状況などを韓国の環境影響評価制度に照らして検討するのに時間がかかったと聞いている」と話した。

ユ・ガンムン先任記者、パク・ミンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/885616.html韓国語原文入力:2019-03-1220:55
訳H.J

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