フィリピンの有名リゾート地ボラカイ島に入る玄関口のパナイ島カティクランに、日本軍「慰安婦」被害者を記憶する銅像が建てられた。
産経新聞は、フィリピンの人権運動家、ネリア・サンチョ氏が5日、カティクランに「慰安婦」被害を受けたフィリピン女性をモデルとする銅像を建て、除幕式を開いたと6日報じた。サンチョ氏は「日本の過去の清算を要求する国際連帯協議会」代表を務めている。サンチョ氏は、私費と寄付金など70万ペソ(約145万円)を投じて昨年7月に銅像を完成させ、「第2次大戦当時、日本軍による性奴隷フィリピン人慰安婦」という字句を刻んだ。
サンチョ氏は、この銅像を自身が所有する駐車場に設置し、「今度は(日本政府から)銅像を撤去しろという圧力は受けないだろう」と話した。フィリピンでは2017年、首都マニラに慰安婦記念碑が設置され、昨年12月にマニラ近郊のサンペドロ市にも韓国の団体が寄贈した少女像が設置された。しかし、両方とも日本政府が圧力を加えたせいで撤去された。サンチョ氏の話は、私有地に銅像を建てたので、日本政府が圧力を加えてきても撤去せずに済むという意味だ。
5日の除幕式には、台湾、北朝鮮、韓国、日本から来た約20人が参加した。地域の高校生70人余りも参加して、亡くなった慰安婦被害者を追悼する詩を朗読した。日本は1941年、当時米国領だったフィリピンに侵攻し、フィリピンの女性たちも日本軍による「慰安婦」被害にあった。1992年、故キム・ハクスンさんによる実名告発を契機に、フィリピンでも被害者の証言が出てきた。