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朝中関係の“新蜜月時代”へ…習主席の訪朝時期は?

登録:2019-01-11 06:08 修正:2021-07-05 08:19
北朝鮮の金正恩国務委員長が今月8日、北京の人民大会堂で中国の習近平国家主席と共に歓迎行事に出席している/朝鮮中央通信 聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と中国の習近平国家主席の第4回会談は、内容と形式面でいずれにおいても、今年国交樹立70周年を迎えた朝中関係の「新たな跳躍」「新密月」宣言と言える。両指導者は首脳会談で、今年の朝中関係の最大イベントとなる習主席の執権後初の公式訪朝に合意し、これを公表した。

 まず、「朝鮮中央通信」と「新華通信」の10日の報道は、金委員長と習主席が朝中関係をどれほど重視しているのかを詳細に強調した。「朝鮮中央通信」は朝中関係を「この世でもっとも知心深く、芯の強い根に支えられた、信頼する同志関係、いかなる風波にもびくともしない不敗の親善関係」だと表現した。習主席も「朝中関係が新たな歴史の1ページを開いた」と評価した。このほかにも、金委員長は朝米非核化交渉、経済発展と民生解決など、様々な面における中国の役割を強調し、朝鮮半島問題における「中国の影響力の強化」を求めるシグナルを強く発信した。

 特に、朝中両国は昨年、一般的な国家間の関係形式を示すのに集中したのに比べ、今回は伝統的な党対党の特殊関係を強調し、「国と党関係が全面的に修復された」というメッセージを送った。金委員長が専用機「大鷹1号」の代わりに、朝中の伝統的な友好関係の象徴である特別列車に19時間も乗って訪中した点や、金日成(キム・イルソン)主席が好きだったという北京飯店での昼食会、外交部ではなく党対党関係を主管する対外連絡部が訪中事実を発表した点、発表文で党の肩書を政府の肩書きより先に掲げた点などから、そのような意図が明らかになった。チョ・ソンニョル元国家安保戦略研究院首席研究委員は「朝米交渉を控えて、朝中が交渉方案を調整したという意味を越え、万が一の場合、朝米交渉が困難になったとしても、中国と共に進むという“新たな道”“プランB”の意味を示した」と分析した。

 さらに、昨年9月頃に推進した習主席の訪朝が、米中の対立などの理由で先送りされてきた状態で、今年の習主席就任後初の訪朝計画を確定した点は、朝中関係と金委員長の統治にも重要な意味を持つものと見られる。ただし、北朝鮮メディアが習主席が訪朝招請を快諾した内容を詳しく報じた一方、中国側の報道は訪朝関連内容を一文字も言及しなかった。

 このような点を考慮すると、中国は結局、非核化と相応装置をめぐる朝米交渉と米中関係の状況を点検しながら、習主席の訪朝時期を調整するものと見られる。チョ元首席研究委員は「米中の対立にもかかわらず、中国は朝中関係の強化と韓中関係の回復で、朝鮮半島における影響力を回復しようとしている」とし、習主席が朝米首脳会談後、今年上半期に平壌(ピョンヤン)を訪朝し、下半期にソウルを訪問する可能性もあると見通した。

 貿易戦争の中、中国が戦略的にも米国を優先せざるを得ない現実を考えると、習主席の訪朝は下半期頃に行われるという見通しも示されている。キム・ハングォン国立外交院教授は「中国は北朝鮮との関係が米国との交渉に障害物や対立の要因とならないように努めるだろう。北朝鮮との関係は管理に集中し、訪朝を急ぐ理由はない」とし、中国が第2回朝米首脳会談の結果を検討したうえで、朝中国交樹立70周年の10月6日までに時間を置いて訪朝時期を調整すると見通した。中国建国70周年記念日の10月1日に中国が金委員長を招待する可能性と、貿易をめぐる対立で延ばされた米中国交樹立40周年行事の日程も、答礼訪問の時期に影響を与える要因に挙げられる。

 イ・ソンヒョン世宗研究所中国研究センター長は「朝鮮半島をめぐる南北・朝中・朝米関係の中で、現在北朝鮮が考えている“戦略的共通集合”が最も大きい国は中国」だとしながらも、「中国は北朝鮮が望む水準の協力よりは、米中が対立する状況で、現在朝鮮半島で進んでいる状況を維持・管理する程度が有利だと判断するだろう」と見通した。

パク・ミンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/877842.html韓国語原文入力:2019-01-10 20:02
訳H.J

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