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サムスンエバーランド、“御用労組”作り“本物労組”瓦解工作

登録:2019-01-01 21:16 修正:2019-01-02 08:19
2016年12月、最高裁でサムスンエバーランドのチョ・ジャンヒ金属労組サムスン支部副支部長(左から4人目)とパク・ウォヌ支部長(左から2人目)など労組員が不当解雇および不当労働行為救済再審など5件で勝訴し、法廷前で勝利を叫んでいる=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 サムスンがトップ一家の経営権継承でテコの役割をしたエバーランド(現サムスン物産(株)リゾート部門)に労組ができることを阻むために、2011年に“御用労組作り”をした事実が、検察の捜査で明らかになった。“本物労組”に対しては、尾行を日常的に行い、それにより得た情報を警察に渡し解雇の根拠とした。これに先立ってサムスン造船(1988年)、サムソンSDI(2000年)、サムスンキャピタル(2001年)、サムスン電子(2010年)でも労組設立の試みがあったが、会社の圧迫、懐柔、解雇などで失敗に終わった経緯がある。

 エバーランドの不当労働行為を捜査してきたソウル中央地検公共刑事捜査部(部長キム・スヒョン)は、サムスングループ未来戦略室人事支援チームのカン・ギョンフン元副社長とL元エバーランド人事支援室長(専務)、I“御用労組”委員長など13人を、労働組合および労働関係調整法(労働組合法)違反などの容疑で在宅起訴したと1日明らかにした。サムスンの労使関係業務を総括したカン元副社長は、これに先立ってサムスン電子サービス労組の瓦解工作を主導した容疑で昨年9月に起訴され、裁判を受けている。

 検察による捜査の結果、サムスングループおよびエバーランドの労務担当者は2011年7月1日、複数労組制の施行を控えエバーランドに“本物労組”設立の動きが捉えられると、グループ次元で用意した労組瓦解工作を実行したことが分かった。労組瓦解工作は昨年3月まで続いた。早い時期からサムスングループ次元の労組瓦解疑惑が提起(ハンギョレ2011年7月8日付)されていたが、約7年後に検察の捜査を通じて事実であることが明らかになった。

 サムスンは、複数労組制の施行一週間前の2011年6月23日、“御用労組”に労組設立申告証を受けさせた。6月29日には、会社と賃金団体協約も締結させた。賃金団体協約が締結されれば、会社に対して2年間は交渉を要求できないという規定を利用して“本物労組”の交渉力を無力化させようとしたというのが検察側の説明だ。この過程で、サムスンは御用労組の設立申告書など労組設立に必要な書類などを作成し、御用労組論議がふくらむことに備えて御用労組の委員長にマスコミ対応要領まで教育したという。

 サムスンの労組瓦解工作は十分な効果を表わした。その年の7月18日に労組設立申告証を受けた“本物労組”は、何の交渉もできない植物労組に転落した。特にサムスンは“本物労組”を瓦解させる目的で、2011年7月から翌年6月まで労組委員長など執行部とその家族を尾行するなど査察を行った。その過程で労組副委員長の飲酒運転を警察に申告したり、車両識別番号までこっそりと撮影し警察に“違法車”申告もした。サムスンエバーランドはこれを通じて“本物労組”スタート当日の7月17日、労組副委員長を電撃解雇した。労組副委員長は、最高裁(大法院)で不当解雇の確定判決を受け、昨年3月に復職した。

キム・ヤンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/876508.html韓国語原文入力:2019-01-01 16:07
訳J.S

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