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ヤン・スンテ長官時代の最高裁、日本の戦犯企業側の訴訟書類を監修

登録:2018-12-04 05:56 修正:2018-12-04 07:32
司法壟断疑惑の頂点とされるヤン・スンテ元最高裁長官(左側立っている人)とパク・ビョンデ元最高裁判事(右)=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 ヤン・スンテ長官時代の最高裁(大法院)が、日帝による強制労働事件の裁判で、日本の戦犯企業を代理した国内最大手法律事務所「キム&チャン」の訴訟書類を検討したことが分かった。韓日関係の破綻を憂慮した外交部側の意見書を監修したのに続き、損害賠償請求訴訟を起こされた戦犯企業側に訴訟に有利な書類を提出するよう助言し、手直しまでした。公正の“天秤”を掲げるべき最高裁が、“原告”である被害者の主張には耳を傾けず、“第3者”の政府(大統領府と外交部)と“被告”の日本の戦犯企業(キム&チャンが代理)側と裁判進行を“相談”したということで波紋が予想される。ソウル中央地検司法壟断捜査チーム(チーム長ハン・ドンフン3次長検事)は3日、パク・ビョンデ、コ・ヨンハン元最高裁判事の逮捕状を請求した。犯罪容疑で元最高裁判事の逮捕状が請求されたのは司法史上初めてのことだ。

 ハンギョレの取材結果、二人の元最高裁判事の逮捕状には、2015年5月にイム・ジョンホン元裁判所事務総局次長(当時企画調整室長)がキム&チャンの訟務チームを率いるハン・サンホ弁護士に直接会ったという事実が書かれている。イム元次長はハン弁護士に、キム&チャンが最高裁判所に提出すれば裁判で有利な意見書の作成に関する指針を伝えたという。

 実際、イム元次長の控訴状によると、その頃、事務総局が外交部第2次官などと接触した後、一連の訴訟遅延シナリオを進めた事実が明らかになっている。つまり、被告側の弁護人が「政府意見要請書」を提出すれば、これを外交部にそのまま渡し、外交部が戦後賠償問題の処理などと関連した外国の事例を最高裁判所に提出すれば、新たな争点を契機に事件を最高裁判所の全員合議体で回付する案を進めるということだ。

 イム元次長とハン弁護士との面会は、最初の段階、つまり被告側が政府意見書を要請する段階と関連があるものと見られる。当時、イム元次長はハン弁護士に要請書を作成するよう指針を伝えており、キム&チャン側は「外交部意見書の提出要請書」という訴訟書類を作成し、イム元次長に事前監修を受けたという。イム元次長は書類のタイトルを「要請書」から「要求書」に変えるようにし、改正された最高裁民事訴訟指針も言及するよう追加指針を与えたという。実際、翌年10月6日、キム&チャンは最高裁に外交部意見書提出要求書を出しており、外交部は11月29日、最高裁判所に意見書を提出した。

 このような内容は先月12日、検察が朴槿恵(パク・クネ)政権時代に大統領府法務秘書官を務めたクァク・ビョンフン現キム&チャン弁護士の事務室の家宅捜索でつかんだという。押収物の分析過程で、ヤン・スンテ元最高裁長官が2015~16年、ハン・サンホ弁護士を最高裁判所の執務室と飲食店などで3回以上会った事実も確認された。検察は、ハン弁護士が裁判に関連した“主要ポイント”ごとにイム元次長と面会し、再びヤン元最高裁長官に会って“意志”を確かめたと見ている。

キム・ヤンジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/872898.html韓国語原文入力:2018-12-04 04:59
訳H.J

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