次世代移動通信(5G)周波数の割当を受けた移動通信3社が29日、予定通り12月1日0時を期して一斉に初の電波を発射すると明らかにした。次世代移動通信網が初めて稼動するわけだ。まずは、ソウルと首都圏の都市および6大広域市の繁華街にあるコーヒーショップや、事前に提供契約を結んだ企業の事業場などに設置されたルーター装備(ドングル・移動通信信号をWi-Fiに変換する装備)と電波を授受することになる。
次世代移動通信は、現在最も多く利用されているLTE後の新しい移動通信サービスで、超高速・超低遅延・超連結性が特徴だ。データ速度は、LTEより20倍速い20Gbps、遅延時間(応答速度)はLTEの10分の1水準の0.001秒以下だ。また、1平方キロメートル内の連結可能機器数は100万台(LTEは10万台)以上、最低保証速度は100Mbps(LTEは0.1Mbps)、利用可能な最大移動速度は時間当り500キロメートル(LTEは350キロメートル)に達する。だが、次世代移動通信端末が発売されると予想される来年3月までは、スマートフォン・ノートパソコンなどと連結される最後の区間はWi-Fiなので体感することは難しい。
移動通信3社はすべて、最近の通信大事故を意識したように、“安全”と“セキュリティー”を強調した。これに先立って移動通信3社は、すべてそれぞれの最高経営者が主管する記者懇談会を開き、電波初発射の雰囲気を盛り上げる予定だったが、一斉に取り消してこの日の報道資料発表に変えた。
SKテレコム(SKT)は、京畿道安山(アンサン)の半月工業団地にある自動車部品メーカー明和工業に最初に次世代移動通信サービスを提供することにした。生産ライン上で製品を多角的に撮影した超高画質写真をモバイルルータを通じてクラウドサーバーに伝送すれば、高性能人工知能システムが瞬時に写真を判読し製品欠陥の有無を確認する。
SKTは、人工知能ネットワークがトラフィックが大量に発生する時間・場所を予測して、あらかじめ容量を割り当てたり基地局アンテナの方向と電波送出区域を自動調整し、ソウル-安山区間に自主開発した量子暗号通信技術を適用し、通信網のセキュリティーを高めたと説明した。
SKテレコムのパク・ジョンホ社長はこの日、社内掲示板に文を載せて「次世代移動通信は4次産業革命時代に人とモノ、およびモノとモノを連結する大動脈」と明らかにした。
LGU+は、ソウル・仁川(インチョン)・大田(テジョン)・富川(プチョン)・高陽(コヤン)・光明(クァンミョン)・河南(ハナム)の中心地で、次世代移動通信サービスを始める。ドングルを活用したサービスをまずリリースし、来年3月までにサービス地域を全国すべての広域市の中心部に拡大する計画だ。LGU+は、次世代移動通信の初の電波発射に合わせて「携帯用Wi-Fi料金制」も出した。加入後3カ月だけ使うプロモーション料金制で、月定額5万ウォン(約5000円、付加価値税含む)でデータ10GBを基本提供する。
ハ・ヒョンフェLGU+副会長は、組織改編後初めて招集した経営会議で「今後10年間の成長動力は次世代移動通信」と話した。
KTはこの日、別途の報道資料を出さなかった。その代わりに12月1日、京畿道果川(クァチョン)の管制センターで、次世代移動通信の開通を記念する内部行事を進めると明らかにした。KT関係者は「当分は次世代移動通信の商用化を支障なく進めると同時に、阿ヒョン局舎通信施設の火災にともなう被害復旧に力を集中する」と話した。