ヤン・スンテ司法府の裁判所事務総局(行政処)が、ブラックリストに名前を上げた判事の精神健康に問題があるという内容の虚偽の診断書を作り、再任用で脱落させようとした事実が確認された。当該判事は、そのような治療を受けたこともなかったという。ねつ造された事実で司法府に批判的な判事を追い出そうとしたと見られる。検察は関連内容を捜査中だ。
裁判所事務総局は2014年9月、ウォン・セフン元国家情報院長の1審判決に関して「指鹿為馬」(鹿を指して馬という)と批判したK部長判事に対する文書を作ったことが分かった。2015年4月頃に作成された「物議を起こした裁判官の人事措置」という文書には、裁判所事務総局人事総括審議官室がK部長判事に対して「精神健康諮問」を受けたという内容が含まれているという。この文書を作った裁判所事務総局のある判事が、自身の高校の同窓生の精神健康専門医に「K部長判事が躁うつ病の治療で薬(リチウム)を服用している」と知らせ、専門医から「治療が必要」という診断を受けたとの内容が書かれているということだ。裁判所事務総局はこのような内容を当時K部長判事の所属裁判所長にも通知したという。しかし、K部長判事は最近、検察の調査で躁うつ病の治療を受けたこともなく、薬品(リチウム)を服用したこともないと述べたという。
検察は、裁判所事務総局がK部長判事の2019年の再任用脱落を狙って、精神健康に関する診断書をねつ造したと疑っている。ソウル中央地検司法壟断捜査チーム(チーム長ハン・ドンフン3次長)の関係者は「2019年の再任用脱落を目標に、低い評定を連続して与えたと見られる。関連部分を捜査中」と話した。K部長判事はこの日、ハンギョレとの通話で「裁判所事務総局がまったく事実ではないことを知りながら悪意で謀略した」と話した。