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文大統領の欧州歴訪の最大成果は「法王の訪朝受諾」

登録:2018-10-21 20:53 修正:2018-10-22 06:57
18日(現地時間)、ローマ法王庁を公式訪問した文在寅大統領と夫人の金正淑女史がフランシスコ法王に会った後、頭を下げて挨拶している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 「フランシスコ法王の訪朝受諾だけでも今回の欧州歴訪の目的は十分に達した」(大統領府高位関係者)

 今月13日から21日まで7泊9日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領のヨーロッパ歴訪の最大成果は、フランチスコ法王の訪朝受諾を勝ち取ったことだ。世界12億人のカトリック世界の霊的指導者であり、平和と和解の象徴でもある法王は「(金正恩北朝鮮国務委員長)の招請状が来れば無条件で応え、行くことができる」として、快く訪朝要請を受諾した。

 当初、大統領府側はこれほど明確な法王の答が出てくるとは予想していなかった。大統領府の高位関係者は「法王の破格メッセージは、参謀陣も全く予想できなかった。前日、ピエトロ・パロリン国務長官との晩餐会合でも、ローマ法王庁の人々は法王が文大統領の謁見でどんな話をされるかについて全く言及しなかった」として「法王のメッセージは、私たちが期待して望んだそのものだと考える」と大きな満足を表わした。さらに、法王は「朝鮮半島で平和のプロセスを推進中の韓国政府の努力を強く支持する」として「立ち止まらずに前に進みなさい。恐れるな」として、文大統領に自信を吹き込んだ。文大統領としては、これ以上は望みようのない最大級の成果だった。

 文大統領は、法王の支持を引き出して、自身が構想した朝鮮半島プロセスに力を得ることになった。まだ時期を確定することはできないが、法王の訪朝は世界に対し冷戦構図を打破し朝鮮半島の新しい秩序を知らせる契機になるものと見られる。加えて文大統領が構想する「年内終戦宣言→平和協定締結→冷戦解体を通した北東アジア平和安保体制構築」という朝鮮半島平和プロセスも速度を上げて進行されうる。特にローマ法王の訪朝は、国際社会に北朝鮮を正常国家としてデビューさせ、欧州歴訪を通して文大統領が強調してきた「北朝鮮の実質的非核化にともなう国際制裁緩和」にも役立つと見られる。

 欧州歴訪のもう一つの主題であった「北朝鮮の不可逆的非核化実践にともなう国連制裁緩和」は、半ばの成功を収めたと評価される。文大統領は、7泊9日の日程で対北朝鮮制裁の鍵を握る国連安保理常任理事国であるフランスのエマニュエル・マクロン大統領、同じく英国のテレーザ・メイ首相と会い、説得作業を始めた。文大統領は彼らに、北朝鮮の非核化にともなう制裁緩和などの相応の措置が非核化の促進に役立つという論理を展開した。文大統領は、欧州の主要国家であるドイツと、欧州連合の首長にも会い、同じ論理を展開した。フランスと英国は、文大統領の趣旨に共感を示しながらも「北朝鮮もCVID(完全で検証可能で復元不可能な核廃棄)のための一層確実な行動を見せる必要がある」と述べた。制裁の即刻緩和には留保の態度を見せたわけだ。

 しかし、大統領府はひとまず欧州の主要国家の首脳らに最近の変化した朝鮮半島情勢を十分に説明し、北朝鮮の非核化以後に備えた制裁緩和の是非を公論化したということに意味があったと見ている。大統領府の高位関係者は「欧州の国家は私たちが朝鮮半島平和プロセスに関して日常的に話を交わせる国々ではなく、各首脳が最近の状況変化に関し強く心配していて質問した」として「彼ら首脳が朝鮮半島の状況を正確に把握できるように説明し、その部分について多くの理解があったと考える」と話した。

ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/866677.html韓国語原文入力:2018-10-21 12:06
訳J.S

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