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文大統領、英独首脳と会談し「対北制裁の緩和」を公論化

登録:2018-10-20 05:47 修正:2018-10-20 08:03
ASEM首脳会議に出席した文在寅大統領が19日午前(現地時間)、ベルギーのブリュッセル欧州連合理事会本部で、ドイツのメルケル首相と会談する前に、握手を交わしている=ブリュッセル=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 アジア欧州首脳会合(ASEM)に出席するためベルギーを訪問した文在寅(ムン・ジェイン)大統領が19日(現地時間)、英国やドイツなどの首脳と相次いで会談を行い、北朝鮮の非核化の進行に伴う国際社会の対北朝鮮制裁緩和の必要性を説得し、公論化に乗り出した。

 文大統領は同日、英国のテリーザ・メイ首相との首脳会談で、「少なくとも北朝鮮が後戻りできないほど非核化を進展させた場合、北朝鮮に対する人道的支援や制裁緩和が必要であり、国連安保理でそのプロセスに関して議論することが必要だ」と説得したと伝えた。

 国連安全保障理事会常任理事国として制裁緩和の決定に影響を及ぼしうる英国に対し、「非核化以降」の友好的な環境づくりに乗り出したということだ。これに先立ち、文大統領は今月15日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領との首脳会談で、「少なくとも北朝鮮の非核化が後戻りできない段階まで進んだと判断される場合は、国連制裁の緩和を通じて、北朝鮮の非核化をさらに促さなければならない」としたうえで、「安保理の常任理事国として、このような役割を果たしてほしい」と要請した。

 文大統領は同日の会談でも、「北朝鮮は昨年11月以降、核とミサイル実験を中止し、豊渓里(プンゲリ)核実験場の廃棄や東倉里(トンチャンリ)のミサイル実験場と発射台の廃棄を約束したのに続き、米国が相応の措置を取った場合は、プルトニウムの再処理とウラン濃縮核物質を作る寧辺(ヨンビョン)の核施設を放棄する用意があることを明らかにした」としたうえで、「北朝鮮が引き続き非核化措置を推進できるよう、国際社会が国連安保理を中心に促進策に関する知恵を集めなければならない時」だと強調した。フランスに続き、英国に対しても“安保理外交”を展開したわけだ。

 文大統領は、メイ首相との首脳会談がメイ首相のASEM会議発言の順番のため20分で終わると、本会議場で再びメイ首相に会い、15分間にわたってさらに非核化案を集中的に議論するなど、(北朝鮮の非核化に関する協議に)力を入れたという。

 メイ首相は「平昌(ピョンチャン)冬季五輪を契機に文大統領が北朝鮮の非核化問題の進展に核心的な役割を果たした」とし、「文大統領の努力で朝鮮半島に以前とは異なる環境と機会が作られたことを非常にうれしく思う」と述べたと、ユン首席は伝えた。

 ドイツのメルケル首相との首脳会談でも、文大統領は非核化と恒久的平和定着のための支持を訴えた。メルケル首相は「文大統領の勇気と決断に感謝しており、大統領とトランプ大統領の決断で朝鮮半島の非核化問題が進展していることをうれしく思う」と述べた。

 ただし、メイ英首相とメルケル独首相は、北朝鮮もCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄)のためのより確実な行動を示す必要があると強調したと、大統領府側は明らかにした。ユン・ヨンチャン首席はフランスに続き英国とドイツ首相まで「CVID」に言及したことについて、「安保理常任理事国(英国とフランス)は安保理で決議した主体であり、用語に関する変更も多者間協議によって可能という立場」だとし、「(個別国との)2カ国会談で、その国が任意で用語を変えるように強制することはできない状況」だと説明した。

 一方、同日に幕を閉じたASEM首脳会議は議長声明を採択し「最近の朝鮮半島情勢の進展、特に3回の南北首脳会談および朝米首脳会談を歓迎する」とし、「板門店・平壌共同宣言と朝米シンガポール共同声明の完全かつ迅速な履行を支持する」と明らかにした。また、北朝鮮が核不拡散条約(NPT)と国際原子力機関(IAEA)の安全措置に早期に復帰し、検証システムに協調するよう求めた。

ブリュッセル/ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/866617.html韓国語原文入力:2018-10-19 22:20
訳H.J

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