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済州のイエメン人らに難民認定0人、人道的滞在許可339人

登録:2018-10-18 06:17 修正:2018-10-18 07:56
今月17日昼、済州市済州出入国・外国人庁近くのコンビニでイエメン人たちが会話している=ホ・ホジュン記者//ハンギョレ新聞社

 政府が済州に集団で上陸し、難民申請をしたイエメン人に対する2次審査で、1人も難民として認めなかった。ただし、339人に対しては人道的滞在を許可した。これにより、9月14日の第1次審査結果を含め、難民申請者481人のうち362人が人道的滞在を認められた。

 法務部の済州出入国・外国人庁(庁長キム・ドギュン)は17日、済州入りして難民申請を行ったイエメン人481人(撤回後出国3人)のうち458人を審査した結果、339人には人道的滞在を許可し、34人は単純不許可、85人には審査決定を保留したと発表した。法務部の関係者は「難民認定者はいないが、人道的滞在をこのように大規模で許可したのは初めて」だと話し、人道的滞在許可を受けたイエメン人は、1年間にわたり国内に滞在しながら働くことができるうえ、滞在期間を延長することも可能だ。済州島からも出る「出島」も認められる。

 済州出入国庁は「申請者が難民協約および難民法上の難民認定要件を満たせず、『難民』とは認められなかった。しかし、現在イエメンの内戦状況や拘禁の可能性などを総合的に考慮し、難民法第2条2項に従って人道的滞在許可を与えることにした。彼らは追放された場合、命や身体の自由などを著しく侵害される可能性がある」と決定の理由を明らかにした。

 今回の審査で、「単純不認定」処分を受けた34人は、第3国で生まれてそこで居住したり、外国人の配偶者がいるため第3国に行くことができたり、経済的目的で申請したり、犯罪の疑いなどで国内滞在が不適切な場合だったと、出入国庁は明らかにした。残りの85人は、船員として就職しているか、一時出国して面接できなかった16人と追加調査が必要だと判断された69人だ。

 決定保留者の中には難民の地位を認められる余地のあるイエメン人も含まれているという。キム・ドギュン庁長は「難民地位の認定が可能な申請者もいる。ただし、調査期間がさらに必要であり、審査を保留している」と説明した。

 難民申請を行った一部のイエメン人らが、ソーシャルメディアに武装勢力への支持文や銃を持った写真、麻薬の写真などを掲載したとする国内の一部メディアの報道やうわさは、ほとんどが事実ではなかったと出入国庁は発表した。出入国庁が10歳以上の難民申請者全員を対象に麻薬検査を行った結果、4人が陽性反応を示し、単純不認定処理された。犯罪容疑者の場合でも、直ちに追放しなければならないほどの深刻な事案はなかったと、出入国庁は明らかにした。テロ団体への関連容疑が明らかになった場合も全くなかった。

 銃器携帯写真を掲載した難民申請者も、大きな問題はなかったと出入国庁は結論を下した。キム庁長は「イエメン現地の文化的背景を踏まえるべきだ。男として勇敢さを誇示しようと、銃を持って写真を撮った人もいれば、結婚式のお祝いの行事に出席し、他人の銃を借りて写真を撮り、ソーシャルメディアに掲載する場合もある」と述べた。

今月17日午前、記者会見をしているキム・ドギュン済州出入国・外国人庁長=ホ・ホジュン記者//ハンギョレ新聞社

 人道的滞在が認められたイエメン人は決定を歓迎した。何より、出島制限が解除されたという知らせに喜びを隠せなかった。同日午後、済州出入国庁近くで会ったイエメン人のヒジャブさん(22)は、人道的滞在許可を受け、「本当に出島制限が解除されたのか。ソウルにも行けるのか」と言いながら、明るく笑った。「3カ月間、漁船の仕事をしていたが、最近辞めた」というヒジャブさんの手首には、仕事で怪我をした跡が見えた。彼は「1日12-18時間働いた。1日4時間しか眠れなかった。どうしても耐えられず、仕事をやめた」と語った。一緒にいた3人のイエメン人もソウルなど大都市に行きたいと話した。現在、済州で仕事をしているイエメン人は214人で、主に養殖業(84人)や漁船業(26人)、飲食業(31人)などに携わっている。

 しかし、難民団体の「難民ネットワーク・済州難民人権のための汎道民委員会」は、「一部のイエメン難民らに下された根拠のない不認定決定を撤回し、国際人権基準に合致する審査を改めて行うこと」を求めた。

ホ・ホジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/866198.html韓国語原文入力:2018-10-17 21:12
訳H.J

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