ドナルド・トランプ米大統領が19日、南北首脳会談の結果について「大きな進展」が行われ、「とても興味深い」とかなり肯定的な反応を示した。24日にニューヨークで開かれる韓米首脳会談などを経て、朝米の非核化交渉が再び本軌道に上がる可能性が高くなった。
トランプ大統領はこの日、ホワイトハウス担当記者たちに「北朝鮮問題に大きな進展があった」とし、南北首脳会談の成果を高く評価したとロイター通信が報道した。彼は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が共同宣言を通じて東倉里(トンチャンリ)ミサイルエンジン試験場とロケット発射台を関係国専門家たちが視察する中、永久的に廃棄すると発表したことに「とても良いニュース」と反応した。また、「北朝鮮の金正恩も私も冷静だから、何が起こるかを見よう」と述べた。
トランプ大統領はこれに先立ち、南北首脳が共同宣言を発表して1時間余りたった後、(米国時間午前0時に)ツイッターで歓迎の立場を明らかにした。彼は「金正恩が最終交渉に付される核査察を受け入れることで合意し、(核)実験場とロケット発射台を国際専門家らが見守る中、永久に解体することにした。そうしている間、ロケット発射や核実験はないだろう。英雄(朝鮮戦争の米軍戦死者)たちの遺骨がこれからも米国に戻っくるだろう。また、北朝鮮と韓国は2032年の五輪の共同開催を推進することにした。非常に面白い!」と書いた。0時が過ぎて書き込みを載せたことから、南北首脳会談の結果を待っていたものと思われる。
“ボール”を渡されたトランプ大統領が歓迎の立場を重ねて出したのは、米国が要求する北朝鮮の非核化と、北朝鮮が希望する安全保障および関係正常化交渉が再開され、速度を上げられるという展望が出ている。特に韓米首脳会談を通じて、金委員長の具体的メッセージが文在寅(ムン・ジェイン)大統領を通じて伝達された後、マイク・ポンペオ米国務長官の第4回訪朝および2回目の朝米首脳会談の日程が決まる可能性も大きくなった。トランプ大統領が決断すれば、早ければ中間選挙(11月6日)前の10月に2回目の朝米首脳会談が実現しうる。ムン・ジョンイン大統領統一外交安保特別補佐官は、平壌で行った記者ブリーフィングで「明確に宣言文に盛り込めなかった金委員長のメッセージがあるだろう」としながら、文大統領がこれをトランプ大統領に伝えるものと見ていると話した。彼は「かなり早い時期内に」ポンペオ長官が平壌を訪問する可能性があると見込んだ。
特に、北朝鮮が核開発の象徴であり核心である寧辺(ヨンビョン)核施設について「米国が相応の措置を取れば」という条件をつけたものの、「永久的な廃棄のような追加的措置」を初めて明らかにした点が交渉に動力を与えうる。トランプ行政府としては「過去の政府と違って歴史的成果が得られる」として米国世論を説得し、再び交渉に乗り出せるだけの“重要カード”だ。
トランプ大統領が共同宣言が明示しなかった「核査察」(nuclear inspections)を述べたことも目につく。共同宣言で「東倉里のエンジン試験場とミサイル発射台を関係国専門家たちの参観のもと、まず永久的に廃棄」することにしたものを核査察に拡大解釈したり、自分の希望を反映して先手を打つ意図でありうる。しかし、水面下では朝米間で寧辺核施設査察協議にまで進展した可能性も示唆する。核施設廃棄は結局、査察と一対だからだ。
米メディアでも北朝鮮が依然として核のリストを提示しないとし、懐疑的な見方がある一方、南北首脳会談が突破口になる可能性があるという見方が出ている。ウォールストリートジャーナルは「今回の発表は金委員長とトランプ大統領の間に、突破口についての新たな希望を提供した」と評価した。
北朝鮮が要求する相応措置とは何かをめぐっても、米国政府内部はもちろん、南・北・米間で緊密な議論が必要だとみられる。スコット・スナイダー米外交協会(CFR)先任研究員はツイッターに「文大統領はシンガポールで担保されるべきだった非核化関連アイテムをテーブルに上げることで良いセーブをした」とし、「だが、最終要求価格はいくらだろうか?」と書いた。チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は、平壌で記者たちに「相応措置に終戦宣言が含まれるか」という質問に「終戦宣言を含むさまざまな案が検討されるだろう」と答えた。