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南北、北側が提案した「飛行禁止区域の拡大」など包括的合意に向け最終実務接触

登録:2018-09-18 08:35 修正:2018-09-18 08:49
文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長//ハンギョレ新聞社

 南北の偶発衝突防止と軍事的緊張の緩和は「平和、新たな未来」を強調した今回の平壌(ピョンヤン)南北首脳会談の核心議題だ。

 南北首脳の「4・27板門店宣言」第2条は「地上と海上、空中を含むすべての空間で…一切の敵対行為を全面中止することにした」と宣言した。これに基づき、南北軍事当局はこれまで2回の将官級会談や実務会談、文書交換などを通じて、後続実践策を協議してきた。国防部当局者は「様々な軍事分野を包括的に合意できるよう北側と最後の実務協議を行っている」とし、「合意された内容は首脳会談の合意文に含まれるか、国防部長官と人民武力相間の合意事案でまとめられる予定」だと話した。

 今回の首脳会談で話し合われる議題としては、非武装地帯(DMZ)での南北共同遺骨の捜索▽非武装地帯内のGP(境界警戒所)の撤収▽西海(ソヘ)海上での敵対行為の中止▽板門店共同警備区域(JSA)非武装化などが挙げられる。

 南北共同遺骨捜索事業は「北朝鮮も共感した事案であり、交渉に大きな困難はない」と軍当局者は話した。南北は、まず南北間の非武装地帯で戦死者が多く、アクセスが容易な地域1カ所を優先的に選び、モデル事業を行う計画だ。

 非武装地帯のGPの撤収もモデル事業の実施後に拡大推進される。非武装地帯のGPの撤収は当初、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が2007年10月、南北首脳会談で提案した。当時、金正日(キム・ジョンイル)総書記は「共感はするが、時期尚早」だとして難色を示したという。今回は、南北間の距離が近いGPから約10カ所を試験的に撤収する案が協議されているという。

 西海海上の敵対行為の中止はすでに一部施行されている。南側は毎年7~8月に行っていた白ニョン島砲射撃訓練を今年行わず、今年7月には船舶共通通信システム(国際VHF)を通じた南北艦艇間の通信を10年ぶりに復元した。しかし、平和水域の設定問題などは北朝鮮の北方限界線(NLL)の認定と絡み合っており、難航しているという。

 板門店共同警備区域非武装化は北側が提案したものだ。板門店共同警備区域はもともと拳銃以外は武装できないが、実際には小銃と機関銃などで武装している。南北間の交渉は共同警備区域を管轄する国連軍司令部と協議の下で進められている。北側は軍事境界線の両側に40~60キロメートルまで飛行禁止区域を設定する案も提案したという。現在、南は軍事分界線南方5マイル(8キロ)まで飛行禁止駅区域を設定し、運用している。北側の提案どおりに飛行禁止区域が40~60キロメートルに拡大されれば、ソウル北方の上空は軍用機が行けなくなる。軍当局者は「飛行禁止区域が広がれば、偵察機の対北朝鮮映像情報の獲得にも影響が出る」と話した。軍当局は、作戦に否定的影響を与えない範囲で、北朝鮮と協議を進めるものとみられる。

 南北は軍事共同委員会の稼動方案も協議しているという。南北は1991年12月の南北基本合意書で軍事共同委員会の構成に合意したが、翌年チームスピリット演習の再開で南北関係が破綻し、稼動されなかった。軍当局者は「南北が軍事共同委員会の稼動に合意するならば、次官級の協議体になるだろう」と話した。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/862495.html韓国語原文入力:2018-09-17 23:46
訳H.J

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