旌善(チョンソン)アルペン競技場の復元をめぐり、対立が高まっている。平昌(ピョンチャン)冬季五輪の時、アルペン競技が行われた加里王山(カリワンサン)を元通りに復元する問題をめぐって住民たちが反対の声を強めているなか、環境団体は復元を求め監査院の監査まで要求した状況だ。
旌善中峰アルペン競技場の原状復元反対闘争委員会は22日午後、大統領府前で住民600人余りが参加して集会を開いた。彼らは「地域の現実を無視した犠牲の要求に憤怒する」、「地域感情を無視して原状復元とは何ごとだ」などと叫びながら原状復元に反対した。
ユ・ジェチョル復元反対闘争委共同委員長は「住民たちは五輪の遺産であるアルペン競技場を一方的に復元することを、また別の犠牲を強要するものと認識している。造成と復元の過程で地域の意見は徹底的に無視された」と主張した。パク・スンギ旌善郡繁栄連合会長も「アルペン競技場の長所を観光化し、閉山で没落した地域経済を活性化させようというのが郡民の意思」と話した。
対策委はこの日の集会で大統領府に、アルペン競技場五輪遺産を政府が管理すること▽住民の意見が排除されたすべての計画を撤回すること▽環境被害で犠牲を強いられた郡民に相応の補償策を提示することを要求した。
しかし、緑色連合と江原地域の市民社会団体と環境団体は、加里王山復元の約束を一日も早く履行することを求めており、葛藤が大きくなっている。緑色連合は6月にすでにアルペンスキー場に対する監査を監査院に要求した。
緑色連合の関係者は「スキー場の建設前に加里王山復元計画を樹立するのが原則だ。しかし、五輪が終わって数カ月が経った今でも、加里王山の復元計画はない。具体的な復元計画なしにスキー場を建てたので、加里王山の復元そのものも難関にぶつかった」と批判した。
これに対して江原道庁の関係者は「ゲレンデは復元しても、空中にあるゴンドラと林道程度は残す必要がある。それさえもなくしたら、旌善は五輪を行った遺産が一つも残らなくなる。最小限の施設物でも残して山岳観光などを通じた地域経済活性化に役立つようにする計画」と話した。