北朝鮮と善意に基づく対話を行う間は、韓米合同軍事演習を中止するというドナルド・トランプ米大統領の決定が公開された後、韓米軍当局がこれを施行するための後続措置に乗り出した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、北朝鮮が本気で非核化措置を実践すれば、「韓米合同演習に対しても慎重に検討する」とし、「具体的内容は(軍当局が)米国と緊密に協議するよう」指示した。
国防部は14日、8月に予定された乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)演習を中止する問題と関連し、「韓米間の協議が進められている」という言葉を繰り返した。ダナ・ホワイト米国防総省報道官は前日、トランプ大統領の決定に対し、ジェームス・マティス国防長官は驚いていないと述べた。しかし、ホワイト報道官は「彼ら(トランプ大統領とマティス長官)は、全ての問題について予め話し合った」と述べただけで、演習の中止に対する明確な立場は明らかにしなかった。しかし、韓国と米軍当局はトランプ大統領の発言が出た後、水面下で乙支フリーダムガーディアン演習を中止する方向で協議しており、残りの2つの大規模な合同演習であるキーリゾルブ(KR)演習とトクスリ(FE)演習については、中止の可否を検討しているという。
米国のメディアは、近日中に米国防総省の公式発表があるものと予測している。CNN放送は、ホワイトハウスや国務省、国防総省の当局者らを引用し、国防総省が「8月に朝鮮半島で行う予定だった主要多国間軍事演習の延期を、早ければ14日に発表するものと予想される」とし、「韓米のウォーゲームを延期するというトランプ大統領の決定を執行するための詳細指針も今週内に出るものと見られる」と報道した。しかし、「トランプ大統領が決定を下す前に軍事的な助言を求めたのかについては、疑問の声があがっている」とし、今回の決定が韓国はもちろん、米国総省とも“綿密な”協議なしに“電撃的”に下されたことを示唆した。
米メディアの報道によると、トランプ大統領は東アジア安保秩序に影響を招きかねない今回の決定を下す前に、周辺の専門家から十分な助言を聞いていないものとみられる。CNNは米国当局者を引用し、「マティス長官やジョセフ・ダンフォード合同参謀議長、その他の司令官らが正確にどの演習をどうやって延期するかについて指示を下すため努力している」とし、「最大の困難はいかにトランプ大統領の幅広い意図を詳細な軍事的指針に変換するか」だと指摘した。朝日新聞は、情報収集のためシンガポールに派遣された谷内正太郎国家安全保障局長が、ジョン・ボルトン大統領国家安保補佐官と面会した際、そのような話は聞いていなかったと報じた。日本では、韓米合同演習が中断されれば、その次は北朝鮮が朝鮮半島における長距離爆撃機や航空母艦など戦略資産の展開禁止や在韓米軍の削減・撤退を要求しかねないという懸念の声があがっている。
文大統領は、今回の演習の中止により、韓米同盟が弱体化するという一部の憂慮を意識したかのように、「堅固な韓米同盟のもとに、揺るぎない韓米協力と合同防衛態勢は維持していかなければならない」と述べた。そして「朝鮮半島の平和と発展は、(軍事訓練を実施するかどうか)より包括的な見地からアプローチすべきだ」とし、「北朝鮮の非核化と体制保証という安保課題を越えて、朝鮮半島の平和と南北共同繁栄という新しい時代精神を受け入れなければならない時」だと強調した。