南北は、南北首脳会談後初の公式・公開協議として、16日に板門店(パンムンジョム)「平和の家」で開かれる高官級会談で、「4・27板門店宣言」のうち、南北関係と直接関連した第1条の後続措置に向けた枠組み作りに焦点を合わせる計画だという。
全体で3条で構成された板門店宣言のうち、第1条は「南北関係の全面的・画期的改善・発展を通じて民族の血脈をつなぎ、共同繁栄と自主統一の未来を早める」という前文のもと、6項目の細部課題を明記している。高官級会談など、各分野の対話・交渉の早期開催▽開城(ケソン)に南北共同連絡事務所の設置▽各界各層の民族共同行事の推進、アジア競技大会など国際競技への共同進出▽8・15離散家族・親戚の再会の推進▽10・4首脳宣言の合意事業の積極的な推進、東海・京義線鉄道・道路の連結および現代化実践対策作りなどが主な内容だ。
16日、高官級会談に出席する北側の代表構成で目を引くのは、鉄道省や民族経済協力委員会など、経済協力関連代表の割り合いが高い点だ。特に、鉄道省副相の出席は東海・京義線の連結と現代化事業推進の再推進に必要な枠組み作りを念頭に置いたものだ。北側の立ち遅れた鉄道・道路事情は、首脳会談の際に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「恥ずかしい」という言葉まで用いて訴えたほど「特別関心事項」だ。韓国も国土交通部次官を会談の代表に据え、協力する意志を示した。
ただし、今回の会談で、大規模な経済協力事業に関する具体的な合意が行われる可能性は低い。国連など国際社会による強力な対北朝鮮制裁が続いているからだ。文大統領も首脳会談の直後に「10・4首脳宣言の履行と南北経済協力の推進に向け、南北共同調査研究作業が実施されることを期待している」(4月30日、大統領首席・補佐官会議)という“ガイドライン”を提示した。政府は特に南北共同連絡事務所の設置をめぐる後続協議で、具体的進展を期待している。
南北が体育省副相と文化体育観光部次官を会談の代表にしたのは、まず体育交流を中心に板門店宣言の履行を進めるためと見られる。8月のアジア競技大会(8月18日~9月2日、インドネシアのジャカルタ・パレンバン)での共同入場・単一チームの構成問題▽(金委員長が強調した)南北バスケットボール・サッカー交流事業などを協議・推進する体育会談の日程を確保することが優先課題だ。
南が「常に最優先関心事」(統一部当局者)だと強調する8・15離散家族再会行事を協議する赤十字会談の開催日程はもちろん、同日朝、政府与党と大統領府の協議で急務に挙げられた(2008年以降中断された)6・15共同宣言18周年南北共同行事の問題も、集中協議の対象だ。
板門店宣言で「5月中に開催」(第2条3項)と明示した将官級会談の日程を、今回の会談で確定できるかは不透明だ。南北軍当局が別の窓口を通じて協議し、日程を決める可能性もある。
対北朝鮮制裁に影響を受けない森林協力▽民族語大辞典の編纂▽開城満月台の発掘調査事業の再開日程にまず合意する可能性もある。特に南側は山林庁次長を会談に出席させ、山林協力への強い意志を示した。