4・27南北首脳会談に続き、5月の朝米首脳会談の場所も板門店(パンムンジョム)に固まりつつある。この場合、南北首脳会談→朝米首脳会談→南北米首脳会談が順次板門店で開かれる公算が大きく、朝鮮戦争の終戦宣言と朝鮮半島における平和体制の構築の象徴的作業がいずれも朝鮮半島で行われる可能性が高い。
ドナルド・トランプ大統領がツイッターを通じて北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談場所として板門店の南側地域にある平和の家または自由の家を言及したのは、28日に行われた文在寅(ムン・ジェイン)大統領との75分間にわたる電話会談後の30日朝(現地時間)だ。文大統領とトランプ大統領はこの電話で、朝米脳会談の場所について真剣に意見を交換したと、大統領府が明らかにした。大統領府は当時、この電話会談の内容を説明しながら、「両首脳が2~3カ所に候補地を絞って意見を交換した」と発表した。大統領府関係者は「両首脳が各場所の長所と短所について意見を交換し、文大統領が先に発言した部分もある」とし、「北朝鮮と米国ではない」と話した。
トランプ大統領の書き込みを見る限り、文大統領が電話会談で板門店を強く勧めた可能性が高い。また、「電撃発表」を好むトランプ大統領が、いくつかの候補地のうち、とりわけ「板門店の平和の家・自由の家」を明確に言及したのは、彼の決心が事実上これらに固まったことを示している。板門店の平和の家は27日に文大統領と金委員長が首脳会談を行った場所であり、自由の家は平和の家から130メートル離れており、軍事境界線(MDL)を挟んで北朝側にある板門閣と向かい合っている建物だ。施設などを考慮すると、平和の家が選ばれる可能性が高い。
トランプ大統領はこれまで、朝米首脳会談の場所と関連し、17日「(米国ではない)5カ所を考慮している」と言及しており、27日にホワイトハウスでドイツのアンゲラ・メルケル首脳と会談を行った後の記者会見では、「会談の場所に関して2カ国まで減らした」と述べた。その間、米マスコミなど海外メディアからは、シンガポールやモンゴル、スイスなどが候補群にあがったという報道が相次いだ。特に、板門店と関連しては、4・27日南北首脳会談ですでに注目を浴びた上、米国人たちにとって痛ましい記憶として残っている1976年「ポプラ事件」のため、トランプ大統領が会談場所として好まないものと分析された。
しかし、この日トランプ大統領が板門店を候補地に直接取り上げたのは、板門店の持つ朝鮮半島の分断と和解の象徴性や両首脳がそれぞれソウルと平壌(または開城)をベースキャンプにして車で移動するのに容易な点などを考慮した結果と思われる。また、全世界で生中継された文大統領と金委員長の会談から、トランプ大統領も会談場所として板門店に不便がないことを確認したものとみられる。また、興行效果を重視する彼がCNNなど有力チャンネルが一日中、南北首脳会談を生中継することに注目した可能性もある。特に南北首脳会談の結果を文大統領から直接詳しく説明を受けてから、2日後に「板門店会談」を明らかにしたのは、朝米首脳会談の内容の面でも肯定的な確信を持ったためと見られる。
5月頃に予想されるトランプ大統領と金委員長の首脳会談後には、停戦協定を平和協定に転換するための南北米3者または南北米中4者会談も年内に推進される予定であり、自然に板門店で朝鮮半島における平和体制の構築の主な作業が続く流れが見えてきた。