軍首脳部が朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾棄却に備え、ろうそくデモを鎮圧しようと衛戍令を発動する案を論議したという主張が出た。国防部は直ちに事実関係の確認に取り組むと明らかにした。
軍人権センターは8日、ソウル麻浦区の李韓烈記念館で記者会見を開き、「『朴槿恵退陣ろうそく革命』当時、軍が武力を動員して鎮圧を謀議したという複数の情報提供があった」と主張した。
センターは「2016年12月9日、国会で弾劾訴追案が可決された後、国防部内で憲法裁判所で弾劾審判を棄却することに備え、軍兵力投入準備をすべきだという議論があった」とし、「当時、ク・ホンモ首都防衛司令官(中将・現陸軍参謀次長)は直接司令部会議を主宰し『騒じょう事態発生時の武力鎮圧』を具体的に論議した」と主張した。センターは、同会議が司令官が主宰し人事・情報・法務参謀らが出席する正常な参謀会議ではなく、兵力を動員する人たちの一部だけが出席した緊急会議だったと説明した。
軍人権センターは「衛戍令が発動されれば、首都防衛指令官が衛戍司令官になるため、首都防衛司令部会議でどこから兵力をどれだけ取るかを論議したはず」だとし、「合同参謀本部に会議録が残っているため、捜査を通じて確認すべき」と主張した。
朴正煕(パク・チョンヒ)政権の1970年4月、大統領令で公布された衛戍令は第12条に「衛戍司令官は災害または非常事態に際してソウル特別市長・釜山市長または都知事から兵力出動の要請を受けたときは陸軍参謀総長に上申し、その承認を得てこれに応えられる」と兵力出動要件を規定している。衛戍令は、国会の同意なしに軍を動員できる点で違憲の論議が絶えなかった。
国防部はこの日、軍人権センターの主張に対して、直ちに事実関係の調査に乗り出すと明らかにした。国防部は記者団に送ったメールで、「今日から直ちに監査官室等の可用人員を投入して事実関係を調査し、その結果が出次第透明に明らかにして、必要な後続措置を取っていく」と明らかにした。しかし、当時首都防衛指令官だったク・ホンモ陸軍参謀次長は「事実無根」だと主張し、イム・テフン所長を名誉毀損の疑いで告訴する計画だと、軍関係者が明らかにした。