2016年11月に結婚したキム・スミさん(30・仮名)は、最初の子どもを今年下半期につくる計画だ。余裕資金を貯めれば育児休職期の間の暮らしを立てられると思い、妊娠を2年間延ばしたのだ。共働き夫婦なので今は給料が500万ウォン(約52万円)を上回るが、子どもを産んだ後は経済的負担が大きくなり、収入が減るという点を考慮したのだ。「二人目も生みたいけれど、最初の子どもを産んで育ててみてから決めるつもりです。何かとお金もかかるし、職場も長く休むのはよくないので」
2015年6月に結婚したイ・サンヒさん(41・仮名)は、子どもを産まないことを決心した。結婚初期には自然に妊娠したら子どもを産むつもりだったが、最近、夫と「子どもを持たない」ことで合意した。芸術家の夫婦は子どもを育てられる経済的環境をつくるのが難しいと思った。また、子どもを育てることと作品活動を並行する自信もなかった。「同じ様な仕事をする周りの人々はみんな似ています。結婚を最初からしなかったり、結婚しても子どもをつくらないんです」
結婚して5年以内の新婚夫婦の数が減ったうえ、子どもを持たない割合も増えている。統計庁が発表した「2016年新婚夫婦統計」によると、2011年11月~2016年10月に結婚した新婚夫婦のうち、国内に居住し婚姻状態を維持する新婚夫婦は143万7千組で、1年前に比べて2.4%(3万5千組)減少した。初婚の新婚夫婦は115万1千組で、このうち36.3%(41万8千組)に子どもがいなかった。これは1年前より0.8%増えた数値だ。子どものいない夫婦の割合は婚姻年数が高まるほど少なくなるが、3~5年目の夫婦(70万6千組)の中でも依然として20.5%(14万4千組)に子どもがいなかった。その結果、初婚の新婚夫婦の平均出生児数は0.80人で、2016年の韓国の全合計出産率(1.17人)よりはるかに少なかった。合計出産率は女性1人が生涯に産むと予想される平均出生児の数だ。
子どものいない割合は、共働きと持ち家のない新婚夫婦でより多かった。共働きのうち子どものいない夫婦は42.2%で、片働き(30.9%)より多かった。また、妻が経済活動をする場合、子どものいない割合は42.6%で、経済活動をしない場合の29.9%より高かった。子どものいない夫婦のうち持ち家のある人は32.2%で、持ち家のない人(39.5%)より少なかった。
所得が多ければ余裕ができ、子どもを多く産むという通念とは異なり、夫婦の年間所得が多いほど子どものいない割合が高くなった。夫婦の年収が1億ウォン(約1050万円)を超える場合、子どものいない割合は1年前より1.2%ポイント増えた44.5%で、最も高かった。7千万~1億ウォン(43.2%)と5千万~7千万ウォン(38.8%)もそれぞれ1.1%ポイント、0.4%ポイント増えた。パク・ジヌ統計庁行政統計課長は「所得区間が高まるほど平均出生児数が減少する現象は、共働き夫婦ではっきりあらわれる。専門職・管理職の場合、機会費用が大きく子どもを持つのがより難しいものとみられる」と分析した。
夫と妻の所得水準を分離して分析してみると、その原因がさらに明確になる。韓国保健研究院に掲載された論文「新婚夫婦の住宅資産と出産(2016年)」によると、結婚当時に夫の所得が高いほど最初の子どもを早く出産していることが分かった。しかし、妻の所得が高いほど、出産遅延の可能性が高くなった。ハン・チャングン成均館大学教授(社会福祉学)などはこの論文で「出産後復職の難しさが所得水準の高い女性の出産を遅れさせるのに影響を及ぼす」とし、「出産・育児による女性のキャリア断絶を予防するため、出産後復職プログラムや良質の時間選択制雇用が必要だ」と指摘した。一方、2017年の出生児数は40万人以下に初めて落ち、合計出産率も1.06~1.07人で史上最低値を記録する見込みだ。