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検察、「保安観察届出」拒否したカン・ヨンジュ氏に懲役1年を求刑

登録:2017-12-23 01:02 修正:2017-12-23 08:02
保安観察法違反の疑いで起訴されたカン・ヨンジュ前光州トラウマセンター長(医師、アナパ医院長)。カン氏は欧米留学生スパイ団事件に巻き込まれ、14年を服役した後、1999年に出所後、保安観察法に対する不服従運動を繰り広げてきた=カン・ジェフン先任記者//ハンギョレ新聞社

 保安観察法の届出義務を履行しなかったため起訴された非転向長期囚カン・ヨンジュ氏(55)に、検察が懲役1年を求刑した。カン氏の弁護人は「届出義務の拒否は最小限の良心であり、人間の尊厳を守るマジノ線」だとして、無罪を言い渡してほしいと要請した。カン氏の1審判決は来年2月7日に下される。

 ソウル中央地裁刑事4単独チョ・グァングク判事は20日午後、カン被告の裁判を開き、検察と弁護人の最後弁論を聞いた。検事は「被告人が受けた苦痛と苦悩を十分理解しているが、刑事司法の正義実現も法治国家である大韓民国で考慮しなければならない。被告人に有罪宣告を下すことを望む」として、懲役1年を求刑した。

 カン氏は1985年「欧米留学生スパイ団事件」で、無期懲役を言い渡されたが、転向書の作成を拒否し続け、14年間にわたり投獄された非転向長期囚だった。1999年に釈放されたが、保安観察法によって「再犯の恐れがある」という抽象的な理由だけで、18年間にわたり7回も法務部長官の保安観察処分が繰り返された。法務部保安観察処分審議委員会は再犯の防止のため、国家保安法などを違反した人に対し保安観察処分を決定できる。保安観察処分を受ければ、居住地を移したり、10日以上の旅行をする時だけでなく、3カ月ごとに主要活動を管轄警察署などに報告しなければならない。

 しかし、カン氏は「プライバシーの秘密や自由を侵害する」として、届け出なかった。カン氏の弁護人は最後弁論で、「被告人は高校生のときに光州(クァンジュ)民主化運動を経験し、全南道庁を守る途中、恐れをなして逃げており、大学生の時は2カ月にわたる拷問で虚偽の自白をした。このような『魂にひびが入る事件』を経験し、被告人は二度と良心を反することはしないと誓った。そのため収監の間、転向書の作成を拒否して闘った。目先の恩恵を受けるために自分が共産主義者だとは認められなかったからだ」と述べた。さらに弁護人は「届出義務の拒否は、被告人が全人格をかけて刑事処罰を甘受してまで守らなければならない最小限の良心であり、人間の尊厳を守るマジノ線」とし、「被告人に再犯の恐れがあるのか、なぜ届出を拒否するのかを踏まえて、無罪を言い渡してほしい」と主張した。

 カン氏も最後陳述で「14年間も監禁されていた1坪にもならない独房から脱したものの、18年間にわたり保安観察法という格子なき牢獄に閉じ込められている。保安観察は私の暮らしを過去に縛り付けておき、再犯すると勝手に推測している。絶えず過去にとらわれ、未来に向けて、良い明日に向けて一歩も進めないようにする」と話した。さらに、カン氏は「刑務所で良心の自由を侵害する転向制度や順法誓約書を廃止するよう14年間にわたり闘う時も、人から夢想家だと言われたが、孤独な夢は結局現実となった。保安観察法は社会的にも倫理的にもすでに廃止された法律である。私たちみんなが自由で平等な存在として共に生きる夢を見るようにしてほしい」と訴えた。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/824357.html韓国語原文入力:2017-12-20 21:35
訳H.J

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