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中曽根元首相、ソ連けん制のため韓中・日朝関係の改善を同時推進

登録:2017-12-21 03:47 修正:2017-12-21 08:05
今月4日、日本東京で開かれた「金鍾泌証言録」日本語版出版記念記者会見で、中曽根康弘(右)元首相が発言している。100歳を控えた中曽根元首相は比較的に健康そうに見えた=東京/チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 中曽根康弘元首相(99)が1980年代に国交正常化に向けた韓国政府の意向を中国に伝えた事実が、日本の外務省が20日に一般公開した外交文書を通じて明らかになった。

 中曽根氏は首相だった1986年11月、中国北京で胡耀邦当時中国共産党総書記と会談し「韓国首脳部から『中国との国交、それに至らぬとしても、経済文化など民間の交流の拡大を希望していることを中国政府に伝えてほしい』と言われた」と述べた。胡総書記は「(韓国が)対中関係改善を望むのはいいことだが、(中国がこれを受け入れるためには)、北朝鮮と他の社会主義諸国の理解を求めなければならない」と断った。韓中はそれから4年後の1990年に貿易事務所を設置して関係改善の糸口をつかみ、1992年に国交を正常化した。

 当時、中曽根首相は韓国が中国との間に相互に貿易事務所を設置を望んでいると伝えると共に、「(国交が樹立されていない)日朝間にも同様のことを行う用意がある」とも提案した。胡総書記は「北朝鮮に(日本の意向を)それとなく伝え、どう思ってるか探ってみたい」と答えた。しかし、胡総書記は中曽根首相との会談から2カ月後に失脚した。

 中曽根氏が韓中と朝日の関係改善を同時に進める構想を提示した背景には、旧ソ連を牽制しようとする意図があった。中曽根首相は、胡総書記に「(貿易事務所の設置を通じて)北朝鮮が北極海(旧ソ連)の方に向かわず、我々の方へ向わせることができる」と話した。

 胡総書記は、中曽根首相に南北が対話を通じて緩やかな連邦制を実施することが必要との考えを述べた。胡総書記は中国が南北と米国3カ国対話を北朝鮮に打診したが、北朝鮮が中国の提案について「怒って大変だった」と伝えた。

 胡総書記は中曽根首相に中国国内政治と関連し、「年寄りを引退させる」と話した。しかし、その後、党の長老格らがむしろ改革政策を推進した胡総書記を退けた。

 戦後政治の総決算を掲げた中曽根元首相は、日本の新保守政治の出発を知らせた政治家と評価されている。首相として初めて靖国神社を参拝したのも中曽根氏だった。このため、中国政府は1986年、日本に靖国に代わる施設を作ることを提案したこともある。しかし、安倍晋三政権によって右傾化がさらに進んでいる状況では、中曽根元首相はむしろ穏健に見える。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/824369.html韓国語原文入力:2017-12-20 19:47
訳H.J

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