「ワームビア氏死亡は北朝鮮に責任…核問題の解決には対話が必要」
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が20日、北朝鮮で抑留されている間昏睡状態に陥り、米国へ送還されてから6日後に死亡したワームビア氏と関連し、北朝鮮を「非理性的」と強く批判しながらも、北朝鮮の核問題を解決するためには、対話が必要だと明らかにした。文大統領は特に南北首脳会談と関連し、「今年中にそのような話ができる雰囲気が整うことを願っている」とし、「北朝鮮の核廃棄と北東アジア平和」が文大統領とドナルド・トランプ米大統領が任期内に実現できる最高の業績になるだろうと述べた。北朝鮮に17カ月間抑留されていたワームビア氏は今月13日(現地時間)、昏睡状態で送還され、治療を受けたものの、意識が戻らず、19日午後死亡したと、海外メディアが報じた。
文大統領は同日、大統領府で行われた米国のCBS放送とのインタビューで、ワームビア氏の死亡と関連し、「（北朝鮮がワームビア氏を死なせたかどうか）その事実までは分からないが、ワームビア氏を死に至らしめたとても重大な責任が北朝鮮当局にあることは間違いない」と述べた。文大統領は「北朝鮮の残酷な行為を強く糾弾する」としたうえで、「まだ北朝鮮には米国国民と韓国国民数人が抑留されている。彼らの速やかな釈放も求める」と強調した。
文大統領は「ワームビア氏の死亡が、北朝鮮と対話を再開しようとするあなたの努力にどのような影響を与えるのか」というCBS記者の質問には、「私たちは北朝鮮がとても非理性的かつ非合理的な国という事実を改めて認識する必要がある」としながらも、「対話は必ず必要だと思う。これまで国際社会が国連安保理の決議に基づいて行ってきた制裁と圧迫だけでは、北朝鮮の核問題を解決できなかったため」と答えた。文大統領はまた、「トランプ大統領は、以前の政府の失敗に対して批判し、反省しているものと見られる。私もその点についてはトランプ大統領と同じ考えを持っている」と述べた。
文大統領は「対話の必要性を感じているからと言って、焦る必要はない」としながらも、「今年中にそのような話(南北首脳会談)が実現できることを希望する」と明らかにした。また、「トランプ大統領と私はこれから5年間の任期を共に務める関係」だとしたうえで、「北朝鮮の核廃棄と朝鮮半島平和体制の構築、北東アジアの安定・平和という共同の目標を実現できれば、トランプ大統領と私が任期中に成し遂げられる最高の業績になるだろう」と述べた。
文大統領はワームビア氏死亡が報じられた直後の同日午前、ワームビア氏家族に弔電を送った。パク・スヒョン大統領府報道官は同日、春秋館ブリーフィングで「文大統領がワームビア氏死亡について遺憾を表し、家族や親戚たちに深い弔意を伝えた」と話した。文大統領の弔意表明には、ワームビア氏事件をきっかけに悪化の兆しを見せている米国内の反北朝鮮感情が、今月末の韓米首脳会談で朝鮮半島の緊張緩和の突破口を開こうとする韓国政府の努力に、“悪材料”として作用しかねないという懸念が反映されたものと見られる。
大統領府は、文大統領がワームビア氏死亡直前の19日、米国のワシントンポスト紙とのインタビューで、ワームビア氏事件と関連して言及した内容も同時に公開した。文大統領はこのインタビューでも「何よりも、北朝鮮がワームビア氏の状態が悪化した直後、家族に状態を知らせて最善の治療を受けさせる人道的義務をきちんと果たしたのかは疑問だ。北朝鮮が人類の普遍的規範と価値である人権を重んじないのは極めて嘆かわしい」と北朝鮮当局を強く批判した。
これに先立ち、米オハイオ州シンシナティに居住するワームビア氏の両親は声明を通じて、病院で治療を受けていたワームビア氏が19日午後3時20分に死亡したと発表した。ワームビア氏の父親フレッド氏と母親シンディ氏は、声明で「息子オットー・ワームビアが家までの旅を終えたという知らせを伝えることになって胸が痛む。息子が北朝鮮人たちから受けた残虐で苦しい虐待により、今日私たちが経験した悲しい知らせ以外の結果が出ることはなかった」と述べた。
ドナルド・トランプ米大統領はワームビア氏死亡のニュースが伝えられた後、声明を通じて「ワームビア氏の早すぎた死に深い弔意を表する」とし、「米国は北朝鮮体制の野蛮性を改めて非難する」と明らかにした。レックス・ティラーソン米国務長官も別途の声明を発表し、「現在、違法に抑留されている3人の他の米国人たちも解放することを北朝鮮に要求する」と述べた。
訳H.J(2140字)