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ソウル高裁「グーグルも韓国の個人情報保護法に従え」

登録:2017-03-01 23:49 修正:2017-03-02 06:56
グーグルのロゴ//ハンギョレ新聞社

 グーグルのように本社が外国にある多国籍企業も、個人情報保護と関連して国内法に従わなければならないという判決が下された。本社とサーバー(情報を保存・管理するコンピューター)が韓国国内にないという理由で、個人情報第三者提供内訳の公開を拒否してきた多国籍企業に釘を刺した判決で注目に値する。また「非識別情報」の提供内訳まで公開対象とした点も目につく。

 1日、情報人権保護活動を行う人権・市民団体の話によれば、ソウル高裁民事4部(裁判長ペ・キヨル)は“Gmail”などグーグルのサービスを使う韓国国内の利用者がグーグルとグーグルコリアを相手に起こした「個人情報第三者提供内訳公開」請求訴訟で、最近原告一部勝訴判決を下した。グーグルとグーグルコリアは、利用約款と米国法が非公開を義務化したものを除き、残りはすべて公開せよと命じた。

 これに先立って経済正義実践連合・進歩ネットワークセンター・共にする市民行動・国際アムネスティ(韓国支部)の活動家6人は、グーグルとグーグルコリアを相手に訴訟を起こした。2014年エドワード・スノーデン氏の暴露によりグーグルが利用者の個人情報を米国の情報機関に提供していた事実が明らかになった後、自分たちに関連して収集・保有された個人情報およびサービス利用内訳の第三者提供現況を公開するよう要求したが拒否されたことに伴った提訴だ。

 1審はグーグルに対してのみ第三者提供内訳を公開するよう命じたが、今回の控訴審ではグーグルコリアも公開しなければならないと判決した。人権・市民団体は「情報人権保護と関連して大変重要な意味を持つ判決だ。大法院(最高裁)に上告して、企業Eメール利用者の個人情報とサービス利用内訳など、1・2審が非公開対象として判決した部分も再び判断を受ける予定」と明らかにした。

 「情報通信網利用促進および情報保護等に関する法律」は、個人情報とサービス利用内訳の第三者提供内訳の公開を義務化している。当事者が要求すれば応じなければならない。通信社が個人情報(通信資料)を情報・捜査機関に提供した内訳を加入者に閲覧させることが代表例だ。だが、グーグルらは国内利用者の個人情報を収集・保有しておきながら本社が外国にあるという理由でこれを拒否してきた。そのため国内企業などからは逆差別だとの主張もある。

 人権・市民団体は、今回の判決で非識別情報の提供内訳も公開を命じた点に注目している。グーグルは非識別情報は公開対象の個人情報ではないと主張したが受け入れられなかった。大統領直属の個人情報保護委員会も1月、非識別情報であっても他の情報と結合する場合に個人が識別されるならば、それも個人情報に当たるという趣旨の決定を下したことがある。

 非識別情報とは、個人情報ではあるが氏名や住民番号などがなく、それ自体では誰のものなのか調べられないものをいう。個人情報の中から氏名と住民番号を消す措置をして非識別情報だと言ったりもする。しかし他の情報と結合すれば個人の識別が可能になり得る。完全に新しい形に再加工され、他の情報と結びついても個人の識別が不可能な匿名化とは区別される。

 進歩ネットワークセンターの活動家チャン・ヨギョン氏は「企業が非識別措置をして、第三者に販売したりマーケティングに活用している情報のうち相当数は、他の情報と結びつけばたちまち個人識別が可能になると知られている。今回の判決で個人情報を匿名化ではなく非識別措置を実施し第三者に提供・販売すれば違法だということが明らかになったと言える」と話した。

 グーグルはこれに対して「判決内容を検討中」と明らかにした。

キム・ジェソプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/784676.html 韓国語原文入力:2017-03-01 18:18
訳J.S(1787字)

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