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朴大統領の職務停止で外交安保分野にも変化が不可避

登録:2016-12-09 18:14 修正:2016-12-09 23:45
朴槿恵大統領弾劾訴追案に対する国会の採決を控えた今月9日午前、黄教安首相が、ソウル世宗路の政府ソウル庁舎に出勤している。黄首相は同日午後、弾劾案が国会を通過したことで、大統領権限代行になった/聯合ニュース

 9日午後、国会で朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追案が可決され、朴大統領の職務が停止されたことで、外交安保政策分野にもかなりの変化が予想される。

 第一に、朴大統領の職務停止期間に首脳外交が事実上不可能になった。まず、朴大統領が大統領府と外交部を通じて参加を公言してきた韓中日3カ国首脳会議の年内開催が、事実上白紙化されることになった。これに先立って、日本政府は19~20日、東京で3カ国首脳会議を開催することを外交チャンネルを通じて韓中政府に通知した。韓国政府はこれに応じたが、中国政府はいまだに言及がないという。このような状況で、政府は黄教安(ファン・ギョアン)首相が大統領権限代行の資格で出席する案も内部的に検討してきたが、実現の可能性が低い。外交部関係者ですら「中国政府が応じないだろう」との見通しを示した。実際に中国政府は最近の韓国国内政治状況を念頭に置いたかのように、「首脳会議は3国が適切だと考える時期と条件の下で進められてこそ、積極的な成果を上げることができる」(11月30日耿爽・外交部報道官)と述べ、「年内開催」に否定的な態度を隠さなかった。チョ・ジュンヒョク外交部報道官が8日、「年内開催が不透明だ」と足を抜いたのも、そのためだ。

 このように大統領権限代行体制では意味のある首脳外交が不可能だ。2004年、国会の弾劾訴追によって盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の職務が停止された際にも、権限代行を行っていた高建(コ・ゴン)当時首相はいかなる首脳会談も行わず、“管理”に集中した。一応来年上半期までには予定・確定された首脳外交日程がないとされているが、外交部の関係者は「(首脳外交)日程を決められる状況ではない」と話した。延世大学のムン・ジョンイン名誉特任教授は「黄総理が(大統領の)権限を代行をしながら、首脳外交を展開しようとしても、国民の信頼を得られない政府を他の国が信頼して外交を進めようとするだろうか」と指摘した。

 さらに、来年1月20日に就任するドナルド・トランプ米大統領当選者との韓米首脳会談も早期開催が難しい状況だ。ロシア大使などを務めたソウル大学ウィ・ソンラク政治外交学部客員教授は「新しい米国政府がどう出るかわからない状況で、韓国の対応態勢がきちんと整っていても困難が予想されるのに、政治的中心が消えてはギャップが大きくならざるを得ないだろう」と話した。

丁世均国会議長が9日午後、国会議長執務室で可決された朴槿恵大統領に対する弾劾訴追議決書に署名をしている=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 第二に、高高度防衛ミサイル(THAAD)の在韓米軍への配備と日本軍「慰安婦」被害者問題関連の12・28合意など、朴大統領が主導して推進してきた政策にブレーキがかかる可能性がある。憲法裁判所で大統領の弾劾が認容された場合、原点から再検討するなどの方向転換が行われる可能性もかなり高い。

 日本政府は、朴大統領の弾劾によって韓国に新政権が発足すれば、12・28合意と韓日軍事情報包括保護(GSOMIA)に対する韓国側の態度が変わるのではないかと憂慮する雰囲気だ。両事案については野党と国民の過半数が反対の態度を明確にしてきた。THAAD配備問題も米国側が「なるべく早く配備する」として(配備に向けた動きを)加速化しているが、中国側はTHAAD配備予定地の敷地を提供したロッテグループを“狙い撃ち”した調査に入るなど、圧迫を強めている。ムン・ジョンイン教授は「新政権が発足するまでTHAAD配備を延期するのが望ましい」と指摘した。

キム・ジウン、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/774088.html 韓国語原文入力:2016-12-09 23:21
訳H.J

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