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3年前「朴槿惠退陣」を叫んで散った人

登録:2016-12-01 01:27 修正:2016-12-01 06:58
「特検実施、朴槿惠退陣」を叫び 2013年12月31日に焚身した故イ・ナムジョン氏の遺品となった垂れ幕=リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社

 いつしか忘れられてしまった一つの名前。2013年12月31日、「恐れは私が持って行きます。立ち上がって下さい」と叫んで散った人。 大統領選挙に組織的に介入した国家情報院と彼らの犯罪を隠蔽しようとする権力者たち、そしてその不義の世の中に向かって全身で叫んだ人。 故イ・ナムジョン氏 だ。

2014年1月3日午前、ある市民が「特検実施、朴槿惠退陣」を叫んで焚身した故イ・ナムジョン氏の焼香所をソウル駅前広場に設置しようとして警察に阻まれ、遺影を持って立っている=リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社

 ちょっとの間ニュースに出てたちまち消えてしまったこの名前をよみがえらせるために、一人のドキュメンタリー監督が乗り出した。 2009年の第11回正東津(チョンドンジン)独立映画祭のチャリンコイン賞(訳注:独立映画の紹介と映像文化の底辺拡大のために江原道江陵市の正東津で毎年開かれる映画祭で、映画祭の期間中毎日観客が面白かった映画にコインで投票し、コインを最も多く獲得した作品にその日のコインの総額が賞金として与えられる)の受賞者であるイ・マリオ監督が製作中のドキュメンタリー映画の仮題は『この死を記憶せよ-メメントモリ』。 映画製作陣は「2012年の大統領選挙期間に恣行された国家情報院を始めとする国家機関の組織的選挙介入を暴露し、真実を明らかにするために全身で抵抗した故イ・ナムジョン氏の志を記憶するために映画を製作する」として「映画は2017年3月完成予定で、映画館との協議を通じて 2017年上半期の封切りを目標にしている」と述べた。 製作陣は同時に、市民たちにクラウドファンディングを通して製作に参加することを訴えた。

ドキュメンタリー『メメントモリ』のポスター//ハンギョレ新聞社

 故イ・ナムジョン氏は2013年12月31日午後5時27分、ソウル駅高架道路の上から「朴槿惠退陣」「特検実施」と書かれた垂れ幕を下ろし、鎖で縛った体にガソリンをかけて火をつけた。火は3分後に消されたが、既に全身に3度のやけどを負った彼は永登浦の漢江誠心病院で治療を受け、2014年の元旦の朝8時、ついに死亡する。彼はタクシーの運転をしながら検察公務員と7級公務員の試験を準備したけれども失敗し、その後はコンビニのマネージャーとして働いていた。彼の人生はどんなものであったろうか。

故イ・ナムジョン氏の遺書=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

イ・ジェフン記者  (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-11-29 17:04

https://www.hani.co.kr/arti/society/media/772506.html  訳A.K

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